理事長所信

[ はじめに ]  今から100年前の1915年、アメリカ・ミズーリ州セントルイスであるひとりの青年がJC運動というひとつの希望の灯火をともしました。その青年のともした灯火はその後、多くの仲間たちとともに混沌とした世界を明るく照らし始めます。日本にはまだ戦後の焼け野原だった1949年にたどり着き、1974年ついにわがまち「知多」にその火はともされました。その希望の灯火は当時57名の先輩諸兄の英知と勇気と情熱と融合し、このまちでさらに輝きを増すこととなります。そして多くの市民に伝播し、多くの市民の心を動かしながら時代の変遷とともに進化を続け、今の時代の私たちへ脈々と受け継がれてきたのです。 先ずはこれまで携わってきた行政・市民・関係諸団体をはじめ、すべての関係者そして先輩諸兄とこのまちに心より敬意と感謝の念を伝えたい。今私たちが愛するこのまちで活動できる、このすべての機会があるのはこれまでの軌跡のおかげであることに。 そして次は私たちが次代へとこの希望の灯火をつなげていく番です。5年・10年そしてその先の未来へと確かにつなげるために今まで以上に力強く運動を推進していきます。それが今の時代を生きる責任世代の私たち青年の大きな使命です。これから先の未来に向け40周年というこの節目の年に、これまでの先人の軌跡と功績を継承しさらに発展させ未来を切り拓いていきます。
[ やさしいまち「知多」へ ]~人の心がまちの未来を創る~ 戦後の混乱から立ち直った日本は、高度経済成長期を経て一気に世界有数の富裕国家となりました。しかしながら1990年代のバブル経済の崩壊から経済停滞期を迎えることとなり、その後2000年に入り小泉改革で一時の力を取り戻すものの、リーマン・ショックに端を発する世界同時不況を見舞いました。そしてあの2011年3月11日、未曾有の大災害をもたらした東日本大震災。戦後だけの日本の歴史を振り返ってもまさに激動の時代を歩んできました。まちの未来を考えるにあたり、このめまぐるしく変化し続ける世の中で未来を見通すのは大変困難なことです。しかしながらそんな混迷極める時代でも一つだけ変わらないことがあります。それはいつの時代もまちを形成しているのは人であり、そこに住まう人の心がまちを創っているということです。「まちは人なり」人の心がまちを形成するのであれば、たとえどんな時代が訪れるか予測できなくとも、この先の未来を選択できる力を養うことはできるはずです。そして未来は今の決断と行動によって創られます。他者に依存せず、自らの意思で考え行動する力を育むことが未来を切り拓く第一歩になると信じます。そんな「独立自尊」の精神をもったつよくたくましい市民がまちに増えることで、このまちがいつの時代でも住みよく豊かで明るい、そんなやさしいまち「知多」になると確信いたします。本年は、このまちの未来を担うリーダーの育成を中心とした、この先の未来へ確りと希望をつなげられる事業を展開してまいります。   「一身独立して一国独立する」私たち自身が、誰かに寄り掛かる心を捨て、それぞれの持ち場で、自ら運命を切り拓こうという意志を持たない限り、私たちの未来は開けません。第百八十三回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説より
[ 未来を切り拓くJAYCEE ]~大いなる使命と責任~  このまちでJC運動を推進し、やさしいまち「知多」を目指すために必要なことがあります。それは、先ず私たちメンバーがそれを発信し実践できる人でなくてはならないということです。これまでの活動の中でJCに対して期待感や好意的な意見を多く耳にしましたが、残念ながら批判的な意見を耳にすることも少なからずありました。しかしながらその批判的な意見というものは、私たちの運動自体を批判しているのではなく、その多くがメンバー個人の姿勢を問われている問題でした。私たちがどれだけ素晴らしい事業をしても私たち自身の中身が伴わっていなければいつまでも周りからは受け入れられず歩みを進めることが出来ません。そればかりか私たちの立ち振る舞い次第でこれまで長年にわたり築き上げられた歴史と伝統にも簡単に傷をつけてしまいます。運動を推進するということは同時に大きな責任を伴っているのです。 私たちの組織は歴史と伝統を有し、なによりも未来を変える力を秘めています。その組織の一員であるという誇りと責任を胸に、活動の一つひとつに真摯に向き合ってください。そして住みよく豊かで明るい、やさしいまち「知多」を創造する第一歩は、私たちメンバーが未来を切り拓くことができる人材となることです。夢や希望を語り合いましょう。問題や課題があれば、それに対して深く考察し幅広く知識を得ることから始め、その得た知識に自身の経験や体験を加え判断する。そして最後に必ずやり抜き成功させる覚悟をもち行動する強い信念が必要です。これからもこのまちを基点として力強くJC運動を推進していくために、より多くの人の心を動かすことが出来る未来を切り拓く力を持ったJAYCEEの育成に取り組んでまいります。
[ 志同じくする同志の発掘 ]~仲間が増えればまちは変わる~  ここ数年、知多青年会議所の会員数はほぼ横ばいで推移しており期首会員数20名の壁を越えることが出来ず、会員拡大が成功しているとは言えない状況にあります。なぜ会員拡大の成果が上がらないのか。私自身過去に会員拡大の担当をしたことがあり、その時より感じている問題点が大きく3つあります。1つ目に「勧誘への苦手意識」2つ目に「役割・担いが多い時間的な障害」そして3つ目に「拡大に対する意識の希薄さ」です。会員拡大を成功させるためにはこの3つの問題は乗り越えなければなりません。苦手意識があれば、その苦手意識のもとを割出し克服していく。時間的に困難ならば、組織内での役割分担から見直し全員で取り組めるシステムを構築する。意識への希薄さに対しては、我々がなぜ会員拡大をしなければならないのかといった目的意識を醸成する。これらを本年は新たな仲間への勧誘と並行しながら進めていきます。 同規模のLOMが会員拡大を成功させている例が全国にはあります。だからこそ我々にも出来るはずです。メンバーが生き生きと活動している。社会から必要とされている。そんな団体であれば自ずと仲間は増えていくはずです。そして会員数が多ければ多いほど運動の発信力は高まっていきます。受け手側より発信者の数を増やし運動を進めることが明るい豊かな社会への近道なのです。メンバー全員で一致団結して、このまちのために知多青年会議所の全てをアピールし運動の共感者を増やしていきます。
[ 40周年そして未来へ ]~継承と変革~  私たちが5年・10年先の未来を切り拓いていくためには「メンバーの心構え」「会員拡大」そして最後に「組織の強化」を考える必要があります。本年40周年を迎えるにあたり私たち現役メンバーは先輩諸兄からの熱い想いとこれまで脈々と続いてきた歴史と伝統を継承いたしました。私たちが継承したこの想いをしっかりと未来へつなげていくためには、守るべき歴史と伝統はしっかりと守りながらも変えるべきものは勇気をもって進化させていかなければなりません。ここでいう変えるべきものとは現状の組織を指します。今の組織は一部のメンバーに負担が偏り、思うような効果が発揮できない現状があります。役職があるものはしっかりとメンバーへ役割を提供し成長できる機会を創出する。それを受けるメンバーは他人事と考えずに成長の機会だと捉え取り組む。メンバー1人ひとりがそれぞれの職務に真摯に向き合うことで力強い組織へと変化していきます。今の時代背景にあわせ、組織の現状をしっかりと議論しメンバー1人ひとりが生き生きと活動できる未来へとつなげられる組織の土台を構築していきます。私たちの運動は決して一人ではおこなえません。全員の想いが一つになり力が集結されたときに初めて最大の効果が発揮されます。失敗を恐れずにチャレンジしてください。自分が思ったこと感じたことがあれば行動してみてください。そして変化を恐れないでください。時代は常に変化しているのです。私たち自身もその時代にあった形を模索しこの先も力強いJC運動を推進し未来へとつなげていきましょう。
[ 終りに ]  私たちは産まれてこれまで多くの人からたくさんの「心」を受けとって生きてきました。思い出してみてください。子どものころ誰もが心躍らせた盆踊りや夏祭りを。その陰には多くの人たちが時間をかけ企画し準備が行われ、たくさんの人の支えがあったおかげで子どもの頃の私たちは、笑顔で楽しめたのです。人は一人では生きていけません。たくさんの支えがあってこの世の中は成り立っています。 この会に入会した動機は千差万別かもしれません。しかしながら入会時にJCバッジを胸に付けたその瞬間から、多くの先人たちの想いと情熱が詰まった希望の灯火を手渡されたのです。40歳までという限られた時間の中で、多くの機会を提供してくれるこの組織で情熱を燃やし精一杯悔いの無いよう活動していきましょう。皆様が手にしたその希望の灯火を自分一人で終わらせるのではなく、一人でも多くの人たちの心を奮い立たせられる大きな灯火として更なる輝きを放ちこのまちから拡げていってください。 この世界は自分が望む、望まないにかかわらず絶えず変化していきます。しかし進むべき方向そして選択できる力を私たちは持っています。ともに活動していきましょう。仲間を信じ。どんな困難な壁でも英知を集結し、そして何事にも負けない心勇気をもって行動し、なによりも情熱を注げば必ず越えられます。この世の中を少しでも、少しでもより良くし明るい豊かな社会を実現させる気概と覚悟もって、私たちのふるさと知多のために運動を進めていきましょう。  いつの日か私たちの運動から明るい豊かな社会を実現できるメッセージが発信されるその日まで。