オウガバトルシリーズ:勝手にキャラトーク♪♪


☆ハボリム・ヴァンダム(V・ラームズ)―――剣聖

『タクティクスオウガ』 不死鳥のような・・

 ハボリムを初めて助けた時(Cルート救出マップ)は、どちらかというと「保護しなきゃ。」という気持ちでしかありませんでした。はっきり言って、あんなにAGIが早くて頼もしい方だとは・・・最後は、アタックチーム不動のエースでした。しかもどのルートでも、デニムと共に戦ってくれる可能性のある、異邦人の剣聖。主人公になりきった目で見れば、さしずめ頼もしい助っ人外人、と言ったところでしょうか。ただ私は惚れ込む、というところまで行かなかったのです、最初は。
 なぜなら、死亡時のセリフが、「・・・母上・・」とあるので、マザコン(笑)&身内(の仇に固執する)主義だけの人だと思っていたのです。

 ですが、4章の終わり頃でスパイ疑惑を晴らすため、自らのつらい過去を主人公に話してくれた時に、見る目が変わりました。
『復讐ということだけではなくて、平和を取り戻そうとする君たちへの協力をしたい。』という趣旨の発言(ちょっと・・うろ覚え(^^ゞ)があったものですから。

 元老院と教皇との政争のまっただ中で、骨肉の争いを展開し始めた兄への怒り・・。
父、兄、自分は職業として仕方ないと1歩譲ったとしても、母が嘆きつつ、死んだという事実ゆえの苦しみ。
そして、視力を奪われた後も、剣聖として生き抜くには、並大抵の努力では叶わなかったことでしょう。彼を奮い立たせているものは、「父母の仇をとりたい。」だけではなかったと思うのです。
 偉大なる父が、将来を期待されていた兄によって殺されてしまった。次男坊であるがゆえに、あの事件までは二人に続いていくことだけを、考えていたかもしれない。しかし、目や視力どころか、生きていく基盤、精神のよりどころをまさに失い、悲劇を食い止めるという働きをなしえなかった、自分自身の甘さに対する失意も味わったことでしょう。

 そして、兄、暗黒騎士団を追いかけて訪れた異国で、復讐だけではなく、自国ローディスがよりよくあってほしいというだけでもない、さらなる目標を持つに至ったのではないかと思うのです。
自分にとっては、異国であるヴァレリアの、蹂躙されていた平和を取り戻す協力をしたい、という目的意識です。それが、先の発言の趣旨だと思うのです。
 傷つき、失意に苦しみ、辛酸を舐めて這い上がってきた、まさに『死地からの生還』というべき強さを、彼はすでに証明済みなのです。しかし、そこに留まることなく、自分よりはるかに若いデニムたちからも学び、共に成長していこうとする柔軟な精神力こそ、ハボリムの真の『死地からの生還』なのだと、私は思いたいのです。

 出来れば、兄と対峙するシーンが見たかったですね〜。主義主張が激突する『2人のランスロット』ばりの迫力あるシーンが出来たはずです。そして、兄を斬って棄てるというだけの復讐ではないものを見せてもらいたかったです。いや、双方ともに死んだ設定では終わらなかったので、次回作以降にてそのようなシーンが見られることを期待しつつ・・・。

 たとえ目に光を映すことが、もはや出来なくとも
 心を研ぎ澄ますことで、見えないものも見つめている
 死も滅びも、けして無ではなく、再生するということ
 継承した命を灯し続けることの尊さを知っている
 痛みを乗り越えて、高みを飛び続ける 不死鳥のように

献辞:
この小文を、拙宅の2222番を踏んでくださった、あがさんに謹んで捧げます。
あがさんの描くハボリムの素敵さが、ちょっぴりでも出せていたらうれしいのですが・・・。


通し番号 NO.3(2001/11/20)
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