オウガバトルシリーズ:勝手にキャラトーク♪♪


☆ヒカシュー・ウィンザルフ―――神聖ゼテギネア帝国(ハイランド王国)の大将軍

『伝説のオウガバトル』 最強・最後の盾として

 最初の印象は・・きわめて良くありませんでした。
だって、ラウニィーの政略結婚の話が先にあった訳でして・・・ひどい父親と思いこんでいました(父親が関与していない政略結婚なんてないのでは?)。アプローズ男爵がこりゃまた大した男じゃなかったので・・よけい腹立たしくて、娘の幸せなんてどうでもいい、ただの権力志向のガンコ親父なのかなぁ・・と勝手に思い込んだまま、お逢いしましたので(爆)。
   しかも、このMAPでは都市を開放しても、元々のハイランドの国民がうるさくて(^^;、とにかく早くクリアしたくて仕方がなかったですし(更爆)。ミザールを死なせた後からは、早くラシュディと戦いたい=ゲームを終わらせたいの一心で、速攻で行っちゃえ!MAPでありました。

   でも、あまり期待していなかったヒカシューとラウニィーとの会話シーンには、けっこうジーンとした記憶があります(心情的には戦わせたくないなぁと思うメンバーなのに、『会話が発生する(かもと予想する)ことで、最後の攻撃ユニットにいれなければならない』のはちょっと残酷なシステムですよね(^^;)。
 そして、ヒカシュー大将軍が、娘と会話して、説得されて仲間になってしまうようなキャラクターだったら・・・決して印象的ではなかったし、この方を好きにはならなかったでしょう、きっと。
 父と娘のお涙頂戴ストーリーのような設定は、実はあまり好きではないんですよね(というわけで・・・『64オウガ』ではちょっとうんざりしたところもあったりして・・)。娘のラウニィーも、戦争のさなかに職業として戦いを選んだ以上(初の女性聖騎士でもあるのだし)、そしてさらに敵対する反乱軍に加入した以上、覚悟は持っていたはずです。
 ましてやゼテギネア帝国軍の最高指揮官であるヒカシューは、すべての部下が我が子である、と同時に、作戦のためには兵の多大な犠牲を怖れないという冷徹さも持ち合わせてなければならないかと思います。
 そして、そのような地位にある人は、国・主君が滅ぶ時には、殉じて共に滅んでいく覚悟を持っている人でなければならないと思うのです。そのような立場に相応しいヒカシューが、娘が敵の手にかかるとか、自ら娘と戦うとか、もはや助けてやることも出来ない等のいろんな事態にいちいち動揺するような方には見えませんでした。しかし、何の感慨もない鬼(オウガ)のようでもなく、胸のうちに感傷はあっても、それを表に出さない方だったのではないかと思います。
 最後の最後にラウニィーに「・・・愛しい娘よ・・」と呼びかけて本音がチラリと出るまでは、毅然としたガンコ親父だったように感じています。いや、そうであって欲しいと思っています。

 ところで、こんな妄想を抱くのは私だけかもしれませんが・・。ヒカシューは、エンドラ様のことを愛していたのではないかな〜と思うのですけれど。実は愛しているのだけれど、黙して臣下として仕え続ける・・・なんかストイックでプラトニックでグッとくるでしょう??(笑)。だから、ただの鈍い人、感情のないオッサンでは困るわけで・・・やっぱりちょっとヤセ我慢しているカッコイイ紳士で在って欲しいです。でも、私も一時期は、”ヒカ☆シュウ”(ポケモン呼び?)と言ったりもしていましたが(笑)。

 愛情面(の妄想)はとりあえず置くとして・・ヒカシュー大将軍は、”武士道とは死ぬことと見つけたり”の『葉隠れ』の精神に最も近い方なのではないかと、考えてみました。見事に死ぬ、というのは意外と難しいのです。いつ死んでもいいわけでもなく、無駄死にしてもいけません。 起死回生はいいけれど、見苦しく保身も図ってはいけません。ヒカシュー大将軍のような見事な死に様を見せてくれた重厚感ある敵将は、その後のオウガバトル作品でも、なかなかお目にかかれないのではないでしょうか・・?

  命をかけてお守りすると誓った時に
  すでに心は 決めてある
  最後まで 盾として 忠誠を尽くす 
  盾は 壊れないのが最上だが 
  主君亡き後 残るのは 盾ではない
  主君の最後まで ・・・いや
  主君の最後より 一瞬前まで 盾として
 


献辞:
この小文を、拙宅の7777番を踏んでくださった、GINGERさんに謹んで捧げます。


通し番号 NO.12(2003/07/12)
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