★作成者のコメント・・・
絵の寓意について(デメロード)
・・・
絵を描くにあたって(ベアス)
オリジナルのマジシャンについて・・・デメロード(原案担当)
「MAGICIANとはどのような人でしょうか。どう描きましょう?」とスケッチブックをもったベアスさんが聞いてくれた時、私はひとつの野望を抱いていました。
―――伝統の構図では、立派な聖職者のような魔法使いが描かれています。
そして宇宙の四大元素を象徴する小アルカナの「剣、棒、金貨、聖杯」がお行儀よくテーブルに並んでいます。(略)―――
一応、そんな説明は、メールですでに送ってありました。
だけど今までのタロットを踏襲するだけでは面白くない!
このマジシャンというのは、『新しい創造』(Originality)を具現したカードなのです!
最初の一枚目なんだし、新しい試みを盛り込みたい!
・・・はあ、思いつきだけは私、けっこうスゴイかも(笑)。
いつも小説とかまとめるのに自分で自分の創出したテーマに苦労するんだから(^^ゞ。
でも、今回は絵だもんね〜、
苦労して描くのは絵師、ベアスさんの方だし・・・うふふ(邪笑)♪♪
・・・というわけで”自信満々の若い魔術師が、不敵な笑みを浮かべて魔法を行使する瞬間”というテーマで
「T MAGICIAN(魔術師)」を描いて頂きました。
いかがでしたでしょうか?
以下へたれ制作責任者、デメロードの勝手な注文を羅列してみましょう。
どんな寓意(メッセージ)が込められていたのか、感じ取っていただけると幸いであります。
<構図の希望>
「動きの感じられる絵にして欲しい。」
なぜなら、このオリジナルタロットカードシリーズのテーマは”剣と魔法の登場する幻想世界”を舞台にしているゲームというものを念頭においたからです。
ベアスさんも私も、そんな幻想世界を舞台にしたRPGが好きということと、互いにオリジナル物を構想中ということも動機のひとつであります。
「今後オリジナルを発表していきたいですね〜♪」という話をしたりもしています。
<宇宙の四大元素を象徴する「剣、棒、金貨、聖杯」の扱いについて>
というわけで、ちょいお行儀が悪いかもしれませんが(^^ゞ、魔術師に剣を踏みつけさせてしまいました。
理由は、もうひとつの無限を冠してあるカードである『VV 力(STRENGTH)』に対抗するためです。
剣が勝つか魔法が勝つか・・永遠のテーマではありますけれど。
また剣は困難と努力を示唆しておりますが、魔法というのはある意味特殊な天賦の才能ですから、そんなものはやすやす超越していると考えたからです。
(創造性を示唆する)棒の象徴である炎魔法を行使する瞬間にしたのは・・。
これは、ベアスさんとデメロードが共に炎属性(の魔法)を好きなことも影響しています(オウガバトラーさんのHPでは、炎と魔法を象徴するジャハンナム騎士団{登録型ゲストブック}に2人とも所属しているのですヨ)。
また魔法使いの多くが杖を使うので、「棒から炎を発生させたらどうか。」という意見も出たのですが、自らの手から炎を発するように描いてもらいました。
これは杖に魔法力があるのではない、彼自身からほとばしる力なのだと考えたからに他なりません。
(達成を示唆する)金貨は、すでに彼のアクセサリと化しているというところで、卓越した才能に自信満々であることを強調してもらいました。
聖杯は宙を舞っております。
「水(属性の象徴でもあります)のこぼれた聖杯が、炎に焼かれるさまを描きましょうか?」という意見もベアスさんからありました。
が、これに関しては、・・・躊躇しました(^^ゞ。
聖杯は、知る人ぞ知るトランプのハートに発展していったカードであり、まさに情念の強さや恋愛を示唆しております。
『青春まっただ中にある、絵師ベアスさんの恋愛運にたたっては困る』という占い婆の深謀遠慮があったので、それはやめてもらいました(笑)。
さて、どこらへんが新しい試みだったのでしょうか?
”タロットカードは普通、正位置の意味を表せるように”描かれるのが通例です。
が、”逆位置の意味を暗示するものを、許される限り盛り込みたい。”
と思ったのです。
ひとつの絵にふたつの意味を・・・・表す。
タロットカードの二面性という寓意をも表現できる絵を描いてもらう。
これはかなり難しいことだと思います。
すなわち「魔法の成功」という正位置のテーマに「失敗、未熟さ、ペテン師」という逆位置の正反対のテーマを併せ持つように絵を描いてもらう。
そんな鬼のような難しい注文にて、この絵は制作してもらいました。
聖職者ばりの魔法使い(立派な人)という伝統的な構図から、高慢ちきとも言える若き魔術師に変更してもらうという注文をつけて試みにトライしてもらったのですが・・。
そんな2つの意味を感じられるような絵を描いていただけたと思い、原案者としてはたいへん満足しております。
逆位置における魔法の不成功者は、ペテン師とさげすまれるのです。
中世の錬金術・・・価値のないものから、金を創り出す・・信じられないようなことを望む者達の姿もタロットカードのマジシャンの意味には投影されているそうです。
努力もしない一般人、批評家達は無責任に成功者を、無限の可能性を秘めた創始者として称えるのでしょう。そして失敗者には、心ない批判で追い打ちをかけるのです。
様々な努力を払い、高みをめざす者に対する妬み、失敗したときのあざけり・・・絵のマジシャンの陰にそのような視線まで感じてくださればうれしいです。
ベアスのタロット作成裏話(?) 【I−マジシャン】
どうも。イラスト担当のベアスです。初めましての方は、初めまして!
作成者のコメントと言うことなんですが、ベアスのほうは、タロット作成においての裏話とか失敗談をメインにしていきたいなと考えてます。
タロットを創ろうと決まったとき、一番最初に手をつけたのがマジシャン。タロットで最初のカードでベアス自身が得意分野である魔術師と言うことから、決定。
ベアスが一番最初に描き上げたオリジナルのマジシャンは、今とほとんど構図が変わらない物でしたね。
違うところと言えば、左手に持つ杖は炎の紋章がついており、炎は宙に浮かぶ聖杯から引き出し、剣は腰に携えていました。無限大のマークもなかったですね。
最初に描いたこのマジシャン。問題になった個所が二つありました。
1.水の象徴である聖杯から、炎を引き出している。
2.魔術師が剣を携えている。
1の聖杯に関しては、前もって4つのアイテムが意味するもの象徴するものを記載したデメロードさん作の資料を頂いていたにも関わらず「水の象徴から炎」という絵にしてしまったという、ベアスの大失敗。
2に関しては、タロットの意味合いとずれるということで、ボツとなりました。
でも、全体的にはOKが出たので、NG箇所を描き直すだけですみました(笑)。
そして、2回目に描き上げたマジシャンは、剣が宙に浮いていることと無限大マークがないこと以外は現在の絵と全然変わりない物でした。
コレを元に、デメロードさんから挙がった要望(力の象徴でもある「剣を踏みつける」とヘビがカタチを成す「無限大マーク」)を描き加え、色を塗り、現在の絵が完成したのです。
え?苦労した点? やっぱり話し合いの時間がなかなか取れないってところかな?
あ。でも、描く上で一番苦労したのは、実は色塗りかも…(^^;)
あと、このマジシャンとは関係ないんですが、皇帝とか女帝は難しいですね〜。威厳を感じさせるとか、中年を表現するのがムズイ。皇帝なんか特にうまく描けません(笑)
魔術師や騎士は描き慣れてるから、スッと描けるんですが…(^^;)
タロットのことを全然知らないけどタロットを創りたいと考えていたベアス。
タロットの事を良く知っててタロットを創りたいと考えていたデメロード。
この2人が揃って実現した、オリジナルタロット創作。
…ゆっくりとした創作になるかもしれませんが、ご期待頂けると嬉しいです♪
2001.09.04 ベアス
★共同企画者ベアスさんについて知りたい方は、こちらからどうぞ♪
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