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「世の中に、ほんとうに役立つ学者がいるとすれば、それは平洲先生のことだ。」
「そうじゃ、わが藩の、次の殿様になられる治憲(はるのり)様の先生になっていただくとよかろう。」
「しかし、そんな立派な先生が、貧しいわが藩などに来ていただけるだろうか。」
「よし、それなら殿様から直接お願いしてもらおう。」
米沢藩の殿様みずからの熱心なたのみで、平洲は、米沢藩のお屋敷へも出向くことにしました。その時、平洲は三十七歳、上杉治憲公(のちの鷹山)は十四歳でした。