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「村の衆、お殿様からのお触れじゃ。」

 庄屋さんが言いました。

「これからは、漆や桑の木を植えて、米沢の特産物を増やすんじやと。」

「ほ−い。それで、おらたちの暮らしが楽になりますのか。」

「そりゃ、今度のお殿様は、すばらしい方じゃで、きっと楽になろうに。聞くところによると、お殿様の飯は一ぱいだけ、おかずは汁と漬物だけですませ、着物は木綿だそうな。そうして、ご自身から節約の手本になっておられるそうじや。」

「それにな、家来のお侍さんたちまで、畑を耕したり、木を植えたりしはじめたそうな。」

「そんじゃ、おらたちもがんばらなくちゃならんのう。」

「みんなが節約して、いろんな工夫をすれば、暮らしも少しはようなるかもしれん。」