泌尿器科情報局 N Pro

症例010

症例提示、UDS提示

62才 男性

既往歴 パーキンソン病

現病歴
9年前 パーキンソン病と診断され通院。
2年前 尿閉となり尿道カテーテル留置となった。間欠導尿を経て、自排尿へ回復。
半年前 幻覚で入院。入院1週間後に尿閉を発見され、尿道カテーテル留置で1600ml流出。間欠導尿で回復を待つが、精神科病院への転院が決まり、カテーテル留置として転院。幻覚が落ち着いた時点で間欠導尿とし、その後自排尿へと回復した。
1週間前 精神科病院入院中に再度尿閉となり、尿道カテーテル留置。

今後の対応について相談するため当科受診。

常用薬
カルバマゼピン(テグレトール)、ペルゴリド(ペルマックス)、エンタカポン(コムタン)、レボドパ・カルビドパ水和物(メネシット)、ニセルゴリン(サアミオン)、ゾピクロンン(アモバン)、タムスロシン(ハルナール)、エビプロスタット、センノシド

ADL 車いす移乗に介助が必要

認知機能 難しいことは理解不能。簡単な会話は可能

前立腺エコー

前立腺は29mlとごく軽度の肥大。

3回の尿閉の、いずれもが不穏状態に対して薬剤の追加、増量が行われた後に、尿閉となっていました。

受診時には不穏状態が落ち着いていたため、精神科病院に尿道カテーテルの抜去を依頼したうえで、UDSを予定しました。

UDSのために受診した際の話では、精神科病院でカテーテルを抜去した後は、自排尿があり導尿を行っていないということでした。

UDS

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Voiding phase

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UDSを解釈したうえで、今後の治療を考えてみてください。