泌尿器科情報局 N Pro

症例018-2

症例提示

検診異常で来院されましたが、顕著な前立腺の肥大と大量の残尿を認めた患者さんです。しばらく経過観察を行いましたが、その後間欠導尿が開始されました。TURPで改善が得られるかを判断するためにUDSが行われました。

UDS

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1. 記録状況
EMGはうまく記録ができていないようです。腹圧、膀胱内圧はきれいに記録されており、サブトラクションも良好です。排尿はできなかったようです。

2. 蓄尿期
Capacity 510ml
Compliance 良好
DO なし
尿意 膀胱容量は大きいがおおむねノーマルパターン

3. 排尿期
Qmax 排尿できず。
Pdet 排尿できず、その際の排尿筋の収縮も認めず。
腹圧 腹圧をかけていますが排尿できません。

UDSサマリー DO- DU 判定不能 BOO 判定不能

膀胱容量の拡張はありますが、尿意はおおむね正常のパターンでした。ですがUDSでは排尿はできませんでした。もともと検診異常で来院していたように、なんとか自排尿だけで維持をしていましたが、自己導尿を始めてから自排尿はなくなっていたため、排尿ができなかったことは、予想されたことでした。排尿できないとしても、あわよくば排尿筋収縮が観察されれば、手術での治療効果も予想ができたのですが、結局は判定保留の結論となりました。

さて、では次はどうしますか。