泌尿器科情報局 N Pro

症例031-2

解説

尿閉と陰茎の部分的な腫大が急に出現した患者さんです。陰茎を観察すると、冠状溝の直下で陰茎が極度にくびれています。くびれの原因は。

輪ゴムでした。何重にも巻き付けられていました。輪ゴムによる陰茎絞扼症です。簡単に取り外すことができますが、硬いものよりも血流障害を来しやすいため発見が遅れると、かえって障害が強く残ります。

なぜ輪ゴムが巻き付けられていたのかですが、妻が行ったとは考えにくく、本人の行為もしくは介護施設での虐待が疑われましたが、結局のところ原因は特定できませんでした。

経過
採血で炎症反応が強く、抗生剤治療を行いました。後に尿培養および血液培養からセラチアが検出され、敗血症となっていたことが判明しました。また排尿障害も必発と予測されたため、尿道カテーテルを留置しました。感染は速やかにコントロールされました。

では、その後の排尿管理はどうするべきか、考えてみてください。