泌尿器科情報局 N Pro

症例037

症例提示

46歳 女性

主訴 尿失禁

既往歴 HAM(HTLV-1 associated myelopathy) 糖尿病 帝王切開3回

現病歴
10年前(35歳頃) 五島列島在住時にHAMと診断。排尿が我慢できないなどの症状あり泌尿器科通院していたが、一時改善したため通院を中断。
5年前 転居して当院神経内科通院開始。
3年前 排尿が我慢できない症状が出現し、神経内科でソリフェナシン開始し改善。
3日前より尿意切迫感、切迫性尿失禁、頻尿あり。

理学所見 Thレベル以下の運動麻痺。車いす移動。在保持は困難。感覚は保たれる。 尿意なし。3時間ごとの時間排尿。体動で失禁あり。

腎エコー

両腎とも異常なし

膀胱エコー

膀胱壁の強度の肥厚と、トラベクレーションを認めます。

質問票
IPSS 3335432
QOL 5
OABSS 0244
ICIQ-SF 446(2)

排尿記録
昼 40~90ml x 5~6回
夜 不明 x 1~5回

検査所見
腎機能 異常なし
検尿 膿尿あり
尿培 Staphylococcus intermedius
尿細胞診 陰性

ST合剤による感染治療の後にUDSを予定しました。

UFM

UDS

(クリックで拡大)

尿意を訴えたり、尿意が消失したりを繰り返しています。最大尿意を訴え排尿を指示しましたが排尿できず、そのうちに尿意が消失してしまったので再度注水を再開しています。尿意が出現するたびに注水(ポンプの項の太線)を止めているので、注水したり止めたりを繰り返しています。

UDSの所見を読み取った上で、今後の治療を考えてください。