>-LABORATORY-[汽水自動干満水槽]

自動散水システム The Auto Water Tank Sistem

製作日時2006年3月28日〜4月1日


 〜自動干満って何だ?〜
  簡単に言うと、海の潮の満ち引きを水槽で再現しようということです。干潮⇔満潮の頭文字をとって干満です。
 昨年同じ企画&製作をしましたが、動作がイマイチ不十分でしたので、2号機の製作に取り掛かることにしました。○1号機○
 〜計画〜
 
 干満をさせる基本的な概念は前回と同様ですが、排水方法や制御方法に変更があります。
 新しく取り入れたのは、水の位置を検出する水位センサー・時間や動作を一括管理するプログラムリレーです。
 〜準備(材料・寸法・数量・金額・目的)〜
主要材料
品名 単価(円) 個数 合計金額(円) 備考
60cm水槽 - 1 - ←一般的な水槽。既存のものを使用。
衣装ケース 690 1 690 ←干潮時の排水した水の保管所。
塩ビパイプ (13mm) 120 1 120 ←給水・排水用の水。
エルボ13 26 5 130 ←パイプを90°曲げる。
バスポンプ 1000 1 1000 ←安価のくせになかなかパワーがある。
排水電磁弁 4900 1 4900 ←排水のときの開閉弁。オクで購入。
プログラムリレー(オムロン) 10000 1 10000 ←格安のシーケンサー。オクで購入。
 今回使用する材料の写真説明をします。 
エルボ 口径13mm用を使います。
今回使用するプログラムリレー。PLC(プログラマブルコントローラー)とは
仕様が少々異なり、プログラムの動作方式に違いがあるとか。
母線から同時にプログラム処理をしていきます。
プログラムリレーは仕様の違いにより数種類あります。
上記のものはそれ自体でプログラムを作成することが可能ですが、
パソコンでプログラミングをして本体に転送することも可能です。
これはパソコンからプログラムリレーに転送するときに使うケーブルです。



○製作開始○
今回は、排水を水槽の底から行なうため、底に穴をあけなければなりません。
しかし、60cm水槽は底にガラスがあるのでそのままでは穴があけられません。
なので、一旦ガラスを取り去り、プラスチック部に穴をあけます。
ガラスの周りはシリコンで防水加工されているため、最初にそのシリコンを剥します。
カッターの腹を水槽の側面に押し当てるようにして慎重に切っていきます。
結構しつこいのである程度の妥協は必要です。
なるべく、綺麗に剥しましょう。
(この写真はすでにガラスを取った後です)
シリコンを剥し終えたら、底面のガラスを割ります。
ガラスの飛散に注意しながら、ハンマーなどで慎重に割っていきます。
一度ヒビが入れば後は楽ですが、最初はなかなか割れません。
度胸を出して一発いきましょう! 
ですが、力を入れすぎるとプラスチック部分までいってしまうので注意が必要です。
綺麗にガラスを取り省いたら、白いスポンジのような薄いシートを外します。
排水口の来る位置に穴をあけます。
今回は呼び径20のパイプをつけます。
外形を考慮してφ30のホールソーを用いて底面のプラスチックに穴をあけます。
バリを取り、一旦全て洗い流します。
完全に乾燥するまで待つか、綺麗なタオルでふき取りましょう。
水分がなくなったら、新しいシリコンを注入していきます。
そのために、マスキングテープで縁取りをします。
本来ならば、プラスチックの上からアクリル板などを敷いて強度を持たせるのですが、ここは経費削減のため手抜き工事です。(~_~;) 
底面のプラスチックはとても弱いので、水を入れたまま持ち上げたりすると、底が抜ける可能で性があります。気をつけてください。
今回使用したシリコンは左の写真のもの。
ホームセンターで格安に売っています。これは、300円くらいでした。
説明書に、水槽にも使用可能と書いてあったので即購入です。
マスキングをした場所にバスボンドを押し入れていく感じでなるべくキッチリと注入。
付属のヘラを使用して表面を整えていきます。
マスキングテープはバスボンドが完全に乾く前に取り省きます。
バスボンドは、完全に固まったら水槽に水を入れて1日以上置いておき、不純な物質や臭素を取ります。
そのときに使用した水は捨てましょう。
前回あけて置いた穴に呼び径20のバルブソケットを挟み込むカタチで締め付けていきます。その時、底と接触する部分にバスボンドを適量流し込んでおくと良いでしょう。
ここは、直接水が触れ、漏れが1番発生しやすい場所なので丁寧に。
今回使用する電磁弁です。
上の写真のソケットからパイプを通って下の電磁弁につながります。
この弁を開け閉めすることによって、水槽の排水の制御をします。
ラックの一番下には、排水した水を溜めておく衣装ケースがあります。
バスポンプが見えますが、一旦ホースを接続し、そのホースを13mmの塩ビパイプに接続しています。バスポンプから直接パイプに接続することは、不可能なので、このような形をとっています。
全体の配管・配線。
ラックの中段に、制御系統をもってきます。
写真を見れば大体分かると思いますが、左に見える細いパイプはバスポンプにつながっていて、上の水槽に行くものです。その右の太いパイプは排水のパイプです。
給水・排水をする管にはそれぞれ手動の流量調節バルブを介しています。
このバルブを調節することによって、水の入る速さや出る速さを変化させます。
全体の写真です。
メタルラックを利用して、水槽・制御・仮水槽を上手く活用することができました。
水槽以外はスクリーンや布などで被っておけばデザイン的にも良好です。

そして、水位センサーを任意の位置におくことにより、簡単に水位の設定ができるようになりました。

満潮時間と干潮時間をそれぞれ独立して設定することができるので、様々なシーンでの条件を作り出すことが出来ます。

ここまでで自動干満水槽Ver.2の製作が終わりました。
前回と比べると、正確さや自由度が広がり、今後の生物の様子の観察にもさらに成果がでることでしょう。
ただ、汽水(塩分が入っている)には電磁弁と水位センサーの電極はあまり適さないかもしれません。
長期間使用していると、金属の腐食の恐れがあります。
真水で使用するのでしたら全く問題はありません。
いまのところ、汽水でも問題ないので定期的にメンテナンス(掃除や塩分の拭き取り)をすれば大丈夫でしょう。


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