広島交響楽団創立50周年特別演奏会
J- Classic Libraries (故日本人作曲家のオーケストラ作品簿)コンサート

 今回のコンサートでは、3名の日本人作曲家の4作品が演奏された。
当日は台風がらみの強い天模様で聴衆の動員が心配されたが、550名の熱心なファンが来場された。
芥川也寸志 (東京代表) 、大栗裕 (大阪代表) 、そして地元・広島代表として広響の常任指揮者をつとめた事もある安部幸明 だ。
安部作品はコンサートのメインとして代表作「交響曲第1番」(1957) が上演されたほか、隠れた名曲「アルト・サキソフォンと管弦楽のためのディヴェルティメント」が久々に取り上げられるのが注目された。ソロをつとめたのは、我が国トップクラスの人気と実力を誇る須川展也。自由でのびやかな調べは、聴衆を魅了した。
「あれはいい (曲だ) から、どっかのオケでやってくれないかなぁ・・・」ご生前の安部先生の言葉をふと思い出し、私は思わず落涙してしまった。
広島交響楽団の、作曲家・安部幸明に対する敬慕の念が伝わって来るような、素晴らしいプログラミングと言えよう。
NAXOSのCDでソロを受け持っている高木和弘による大栗の協奏曲、そして名匠・秋山和慶のタクトも作品の本質を捉えた秀逸なものであった。会場には安部幸明氏の娘さんをはじめとする、9名のご親族も駆け付けられた。
2年続けて、このような有意義な演奏会を開催された広島交響楽団に対し、日本人作曲家研究をライフワークとする者として、心より敬意を表したい。 (2013.11 岡崎 隆)

 詳細は以下の通り。


           http://hirokyo.or.jp/html/2013/Jclassic2013.htm

        (クリックで拡大します。裏面もご覧いただけます)


 2013年10月24日 (木) アステールプラザ大ホール 18:45 開演

(プログラム)
 芥川也寸志 弦楽のための三楽章
 安部幸明  アルト・サキソフォンと管弦楽のためのディヴェルティメント
 大栗 裕  ヴァイオリン協奏曲
 安部幸明  交響曲第1番

  指揮 秋山和慶  アルト・サキソフォン 須川展也  ヴァイオリン 高木和弘 

  
  主催/公益社団法人 広島交響楽協会、中国新聞社


 (昨年の演奏会)

 J- Classic Libraries (故日本人作曲家のオーケストラ作品簿)

画像提供/広島交響楽団 (クリックで拡大します)
 広島交響楽団が創立50周年のプレ企画として2012年6月14日、日本人作曲家4人の作品のみによる演奏会を開催した。
曲目はいずれも日本の管弦楽曲を代表する名作で、広島ゆかりの安部幸明「シンフォニエッタ」は、久々の再演となった。

 近衛 秀麿/越天楽 (1931)
 小山 清茂/管弦楽のための「木挽歌」(1957)
 芥川也寸志/交響管弦楽のための音楽 (1947)
 安部 幸明/「シンフォニエッタ」(1964)


 指揮/山下 一史  オーケストラ/広島交響楽団
 2012年6月14日 (木) 18:45 〜  広島市・アステールプラザ大ホール
 主催/公益社団法人 広島交響楽協会、中国新聞社