日本では2009年4月25日に公開と聞いて、もうそんなに経ったんだ。
ガレージ.芝生の庭.車.国旗・庭の芝をきれいに刈り、国旗を掲げ、建物は自分の手で保守管理する。そうしたショットは、アメリカの自治と自立の国民性をあらわしたものだ。
映画のハイランドパークという街(デトロイトの近く)。ここは自動車産業の城下町というべき場所だから、そこで元組立工として余生を過ごす主人公は、すなわち「古きよきアメリカ」の象徴である。もっとわかりやすく言い換えるなら、「物を作っていたころのアメリカ」だ。
、その主人公の周りで今、いったい何が起きているか。なんと、「古きよきアメリカ」が愛したこの街にさえ、彼のような昔ながらのアメリカ人はほとんど残っていないというのだ。日本車が台頭して住民も今や東洋人の町となった。
トランプさんが、名指しで日本を指さした事も、この映画を見ると何となく分かる気が致します。
借りてきたこの本は、やたらと、DIY(ディー・アイ・ワイ)という、文字が目につきます。英語のDo It Yourself(ドゥ イット ユアセルフ)の略語で、「自身でやる」意味だそうです。
日本も、アメリカ文化の後塵をゆっくりとたどる背景があります。身体使う価値感が少なくなり、手作業での物作りが、減ってきています。
男の居場所を見つけることが、困難時代かもしれません。

『グラン・トリノ』