岡崎 隆 (おかざき たかし) / プロフィール  (2023.11)


1948年 愛知県生まれ。ピアノを浅川房子、コントラバスを西出昌弘、江口朝彦、相葉武久各氏に師事。
1971〜2008年 名古屋フィルハーモニー交響楽団にコントラバス奏者として在籍。

 現在は演奏の傍ら楽譜作成工房「ひなあられ」を主宰し、戦前を中心とした日本の作曲家の研究・評論、演奏用スコア・パート譜の作成をライフワークとしている。これまでに管弦楽曲を中心に50曲以上の浄書譜を作成し、ベルリン・コンツェルトコア管弦楽団、メキシコ国立交響楽団、グァテマラ国立交響楽団、東京フィル、東京交響楽団、日本フィル、東京藝大シンフォニア、東京シティ・フィル、東京ニューシティ管、大阪フィル、名古屋フィル、中部フィル、仙台フィル、広島交響楽団、アンサンブル金沢、神奈川フィル、セントラル愛知交響楽団、横浜シンフォニエッタなど数多くのオーケストラに演奏され、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、日本経済新聞、東京新聞、神奈川新聞、中日新聞、琉球新報等で活動を取り上げられた。

 特に貴志康一、須賀田礒太郎、高田三郎、金井喜久子、安部幸明、鬼頭恭一の研究に心血を注いでおり、神奈川フィル「須賀田礒太郎の世界」では全3回の演奏会の楽譜制作・プログラム決定・レコーディングに参加。2012年3月、神奈川県立図書館で「よみがえる天才作曲家・須賀田礒太郎」と題した講演を行った。

 また名古屋市出身の作曲家・高田三郎の管弦楽曲、管弦楽付合唱曲の浄書を完成、代表曲「水のいのち」オーケストラ版は2024年2月までに全国各地で76回の上演を重ねている。

 2011年、ボランティアで浄書した橋本國彦の日本国憲法公布を記念し書かれた交響曲第2番 (1947) が、湯浅卓雄/東京藝大シンフォニアによってNAXOS「日本作曲家選輯」からリリースされ、マスコミ各社に大きく取り上げられた。
同交響曲は2015年4月、湯浅卓雄/新交響楽団により半世紀以上ぶりに演奏会上演された。(東京芸術劇場)

 2012年6月、広島交響楽団が日本の作曲家4名の作品を取り上げた演奏会「J-Classic Libraries」(指揮/山下一史)プログラムのための原稿を寄稿。

 2013年6月に名古屋で開催されたセントラル愛知交響楽団特別演奏会「高田三郎とゆかりの作曲家たち」(指揮/齋藤一郎)では、上演曲4曲のうち3曲 (信時潔/絃楽四部合奏、高田三郎/2つの狂詩曲、安部幸明/チェロ協奏曲)の演奏用浄書譜を作成し、全プログラムの解説を執筆。

 2013年10月、公益財団法人・愛銀教育文化財団から、長年の「戦前を中心とした日本の作曲家の研究・調査」に対し、平成25年度助成を受ける。同年10月24日の広島交響楽団 での安部幸明「アルトサキソフォンと管弦楽のための嬉遊曲」(指揮/秋山和慶)、11月3日の仙台フィルハーモニー管弦楽団 での金井喜久子「交響曲第2番」(1947) の再演(指揮/梅田俊明)に楽譜制作で協力。

 2014年2月、学校法人・甲南学園より依頼を受け、貴志康一の代表作「日本組曲」(全6曲/ca.1933) 、「日本スケッチ」(全4曲/ca.1933) の演奏用楽譜を完成。3月9日、大阪フェスティバル・ホールにおいて「道頓堀」が上演された。(高関健/大阪フィルハーモニー交響楽団)

 2015年3月、名古屋パストラーレ合奏団でヘンデル「メサイア」(抜粋) ほかを指揮。
安部幸明の弦楽四重奏曲 (全15曲)、貴志康一「ヴァイオリン・ソナタ」、「ソプラノと管弦楽のための歌曲集」の浄書演奏譜を完成。

 2015年、30年来地道に研究を重ねて来た名古屋出身の作曲家・鬼頭恭一が、戦後70年で注目される。
(鬼頭は東京音楽学校(現・東京藝術大学)から学徒出陣し、終戦の18日前、訓練中に事故死している) 
鬼頭の未発表の譜面を探し出し浄書化、ご親族を通じて鬼頭の母校・藝大に寄託。7月27日、藝大キャンパス・コンサートで初演された。このコンサートを期に東京藝大は戦没音楽学生の本格的な調査を開始した。

 2015年12月15日、名古屋パストラーレ合奏団特別演奏会「鬼頭恭一 メモリアルコンサート」で企画・編曲・指揮をつとめ、鬼頭の全作品(創作スケッチも含む)を演奏した。

 2023年8月5日、日本経済新聞・文化欄に「戦前の管弦楽曲に光を 埋もれた楽譜を発掘し蘇演へ」というタイトルで、これまでの日本の作曲家の楽譜作成が取り上げられた。


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