2021年08月25日(2/2)
『「不良」長寿のすすめ』は、
毎年、運動を習慣できず、運動不足が気になる人には、朗報です。
全く、運動せずに、筋肉をつけずに、生活に支障が出るまでに、機能を退化させるのも、困った問題ですが、必要最低限度の筋肉を付ける運動をして、
適度に、サボる、怠けることも、必要で、その匙加減が、アンチエイジングとロングライフのサイエンスをなんとか一致させようというのが、のんびりとした生活スタイルらしい。
スポーツ選手のように、毎日のように、負荷をかけなくとも、のんびりとした生活スタイルでそれなりに、ロングライフを楽しめることが、出来れば、それに越したことはない、
若さを売り物して羨望しなくても、年寄は、年寄りらしい、生活スタイルで行こう。
毎年健康診断で、「コレステロールが高い」と言われている俺には、朗報である。
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コレステロールの抑制は危険
もう一つ、十年ほど前にフィンランドの調査が話題になりました。フィンランドは年金制度の充実した国で、会社を辞めても何もしないで食っていけるので、健康管理がよくない。アル中や膵臓疾患も多く、寿命も短い。それで厚労省が大学の先生に依頼して一九七四年から十五年がかりで大規模な実験を行った。
生活環境の似ている四十〜四十五歳の男性千二百人を半分に分け、片方は年に二回は健康診断をさせ、酒もたばこも制限し、きちんとした生活リズムと健康状態を保つよう指導した。もう片方は、酒もたばこも食事も一切自由。それを五年やって、十年間の観察期間を置き、十五年後に蓋を開けたら、前者の健康管理グループは六百人中十七人が死んでいた。一方のほったらかしグループは一人も死んでない。
これはまずい、これを知るとますます国民の生活が乱れると、厚労省は情報を隠してしまう。ところが、調査を統括した先生が公開するんです。なぜ健康管理をしたグループのほうだけ何人も死んでいるのか、原因を調べるのが大事だろうと。そしてその指導方法について二つの問題点を指摘した。一つは、コレステロールの数値を徹底的に管理したこと。当時はコレステロールは低いほどいいという観念があった。もう一つは、あまりストイックな生活をさせたために、免疫の働きが弱ったのではないかと。
この二つは、今となると見事に正しい。日本はコレステロールの正常値を二二〇㎎/㎗以下という、ものすごく低いところに設定している。欧米で問題視される基準はだいたい三〇〇以上なんですね。
新聞報道もされましたが(読売新聞二〇一〇年九月八日)、日本脂質栄養学会が行った調査によれば、最も長生きの人たちのコレステロール値は二六〇〜二八〇。しかも通説とは逆に、ここからコレステロール値が低くなればなるほど、病気などによる死亡率が高くなるという結果だった。
コレステロールは肝臓と脳でつくられます。全体の二〇%は脳の細胞でつくられ、脳で使われている。だからコレステロールが低い人は脳の回転が悪いかもしれません。また、すべてのホルモンはコレステロールからできている。セックスに関するホルモンもそうですから、コレステロールが高い人はスケベです。スケベなやつは頭の回転が速く、仕事もできる。それは確実に比例します。
コレステロールは強い血管をつくるのにも大事です。かつて秋田や山形は脳出血の人が多くて、脳外科の医者は手術によく行ったものでした。秋田や山形の人は漬け物ばかり食べて、牛乳や卵はよそに売ってしまって自分は食べない。だから血管が弱く、ちょっとトイレに行くくらいですぐ脳出血を起こしていた。今は牛乳も卵もよく食べるようになって、脳出血は減リました。