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建築  雑コラム 8  

Architecture         The s   Column    

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ということでまずは有機質素材から紹介します。

「土」
土というと有機質?と疑問を持たれますが土の中には多くの生物が生きていますし、最近流行っています珪藻土も太古の植物ケイソウの化石になります。
私は土を「生きている素材」として有機質の仲間とします。

日本の家は木の家と言われますが、私は木と土でできた家と思っています。

木の柱と柱の間を埋めたのが土の壁です。この壁の下地に竹を編んで作ったものを小舞(コマイ)といってこれに土を塗った壁を小舞壁といいます。
(2012.7.12)


       

丸竹を21p間隔にその間を割竹で組んで作られる、水平に60p間隔に入っている木が貫(ヌキ)で地震に抵抗します。

かっては竹を伐採する時期(秋から冬)時間(闇夜)に伐採すると虫が食いにくく腐りにくいそうでこだわって伐採されたそうだが、
現在は殆どが中国産で古い職人曰く「似て非なるもの」だそうです。(2012.7.13)

塗る壁土はかっては田底の土に藁を混ぜ半年ほど発酵させたものを2〜3層に表裏塗り半年から一年そのまま乾燥させたそうです。

現在は泥コンと言われる砂と粘土をコンクリートプラントで練った材料を土壁と言って塗っているがこれも古い職人曰く「似て非なるもの」だそうです。

止めている縄もかってはシュロ縄や藁縄を使っていたが、現在はナイロン縄の場合をよく見かける。

本物の木舞壁を作るのは大変困難で高価な時代になりました。(2012.7..14)


漆喰壁(シックイカベ)

私が24歳の時私の実家を改修しました。初めての仕事でどの様にしたら建築が出来るのかも知りませんでしたので逆に今思うと良かったと思います。

建具の枠は原寸の図面を私が書き、大工さんが指矩(サシガネ、曲尺(カナジャク)ともいう)であたって「めんどくさい」と言いながら造ってくれました。

左官の親方にもコテの使い方を教えてもらい一壁塗りました。(2012.7.15)

左官の親方は、かなり古い職人で外壁に使う漆喰を庭先に大きな釜を持ち込み石灰、すさ、つのまた(海草で糊になる)
などを入れて2日ほどかかって作っていました。

以前の左官は塗り壁材量を作ることから学んだそうで、若い職人は10年位はこの材料作りが仕事だったと言って見えました。

今では漆喰もビニール袋に入っていて、開けてすぐ塗ればよい時代になりました。(2012.7.16)

漆喰壁はお寺の壁や蔵の壁に良く使われていますが、白くて汚れそうに思えるのですが、意外に汚れません、20年ほどは十分持つと私は思います。
(クラックが入る可能性もありますが、しっかりした下地と、しっかりした職人が塗れば大丈夫です)

お寺も手入れしながら100年単位で残っています、私は合成樹脂製の吹付け材やサイディングより十分長持ちする材料と評価しています。

外部のみではなく室内にも使用できる材料です。


        

東福寺 外壁の漆喰                 東福寺 庭 塀の漆喰                東福寺 山を模した漆喰欄間

東福寺はモミジや通天橋など見る所の多い名刹ですが、中でも私は昭和の作庭家重森三玲の方丈にある庭が好きです。(2012.7.17)


私は漆喰は主に外部で使ってきました。



KOB邸 一般的には上部に漆喰を使うことが多いのですが、私はへそ曲がりですので下部に漆喰を使います。

                                      

                   NAK邸 漆喰壁と2階手摺のFRPグレーチング異質な取り合わせですがうまくいきました。

IMA邸で初めて土佐漆喰を外壁全面に使いました。

土佐漆喰は海草の糊ではなく稲わらを発酵させたものを糊替わりに使っているそうです。

普通の漆喰の純白色と違い、少し黄ばんだベージュ色で材料も粘りがあります。

少しざらっとした所も土らしくて気に入りました。


(2012.7.18)


私の家は海に近い所にありました。育った部屋の壁は銀ねずの塗り壁で少しさわるとザラザラと砂が落ちました。

砂壁と言われてましたが、砂壁は砂の種類でいろいろある様で、私の家の砂壁は海砂を塗った銀ねず色で渋い砂壁の部屋で育ちました。

近くにある土を塗ってできる、これって今では難しくなりましたが、シンプルで合理的でサスティナブル、正にこれからの条件に合っています!
(2012.7.19)


プラスター塗

最初の住宅の壁材をプラスター塗にしました。

プラスターは漆喰とよく似ていますが、プラスターの材料自身で固まる性格があり糊を必要としません。

材質も比較的均質で施工性も良いのでプラスターを使いました。

吸放湿性も高く仕上がりも平坦にシンプルにするため金こての後仕上げにプラスチッこてで仕上げました。

また少し粘りを出すためにスサを通常より多く入れ、「白スサはプラスター25kgに対して270gとする」の仕様は私の事務所の特記仕様書に
現在でも書かれています。(2012.7.20)

ヨーロッパではプラスター壁はペンキ下地でこの上にペンキを塗ります。

ですからリニューアルは水性ペンキを上から塗るだけで良いのです。

ビニールクロスは静電気で埃を吸い寄せますので10年で張り替えなくてはいけません、2回張り替えると下地のプラスターボードが限界で3回目にはプラスターボードからやり直しとなります。

しかしプラスター壁は静電気で埃を吸い寄せませんのでそれほど汚れません、35年経つこの住宅も一度水性ペンキでリニューアルしただけで現在も十分きれいです。水性ペンキを塗っても吸放湿性は保たれます(オイルペンキでは保たれませんので気を付けてください(2012.7.21)



珪藻土塗

今から15年ほど前に住宅でも健康ブームがありました、そこで話題になったのが珪藻土です。

一般的な住宅の床材のクッションフロアー、壁、天井をビニールクロス貼りの部屋は、まるでビニール袋の中で生活している様なもので湿度調整できませんので余った水分は結露水となりカビ、ダニの原因となります。

そこで吸放湿性の優れた材料と言う事で珪藻土が話題になりました。


(2012.7.22)

ケイソウ土の顕微鏡写真 数十種類の珪藻土壁材が販売競争しました、珪藻土でも取れる地域によって吸放湿性能が違う様で稚内産珪藻土が率が高く値段も高い物でもてはやされました。

珪藻土は珪藻土自信では固まる能力がありませんので壁材にするには固まる糊などを入れなくてはいけません。そこで合成糊を入れた材料が多く出ました。

私は各社の製品サンプルを取り寄せ霧吹きでチェックしました。やはり合成糊の入った珪藻土はかなり性能は落ちます。

そもそも漆喰や、プラスターも吸放湿性能はかなりあります。データーでは稚内産珪藻土の50%くらいの性能ですが合成樹脂で固めた珪藻土はその性能は落ちて漆喰や、プラスター以下となる事もあります。(2012.7.23)

私の事務所では珪藻土をプラスターに入れてプラスター自身が固まり、合成糊の入っていない材料、 「ケンコート」吉野石膏を プラスター壁と同様な仕上げで使っています。

この材料を施工する時、夏場急激に乾燥すると白華しやすいので窓を閉めたり、枠廻りの乾燥しやすい部分に霧吹きしたりする注意が必要です。

繊維壁しか塗った事のない左官には嫌われますが、そんな左官には見本塗を何度も作って確認する必要があります。(2012.7.24)

部屋の湿度調整の基本は湿度40%〜60%に保つことです。冬40%以下になると乾燥してインフルエンザ菌が繁殖しやすくなります。また夏60%以上になるとカビが発生しやすくなり、カビを餌とするダニも増える事になります。

部屋の湿度を保つには給放湿する材料を使うことになるのですが、材料の性能と、面積を考えなくてはいけません。

吸放湿性能が100で高価な材料を5u使うのと、吸放湿性能が60で安価な材料を10u使うのでは後者の方が有効なのです。
(2012.7.25)

吸放湿する材料は珪藻土や漆喰、プラスターだけではありません。木も吸放湿する代表的な材料です。

珪藻土より、木の方が吸放湿する量は大きいのですが対応時間が遅いという特徴があります。

反対に珪藻土は吸放湿する量は少ないが対応時間が早い特徴となります。

この二つの材料の特徴をうまく使ってやると湿度調整を自然に行う部屋が出来ます。

            
            木と珪藻土でバランスよく調湿された部屋(2012.7.26)


土壁
数寄屋建築や茶室の壁に塗られている壁を「土壁」とか「京壁」と呼びます。

その中でもよく使われる種類が「ジュラク壁」「大津壁」「さび砂壁」などありますが
「ジュラク壁」は京都聚楽第を秀吉が作る時その近くで取れた土を塗ったものを言います。

「大津壁」は滋賀県大津地方の壁で黄色っぽい土を塗った壁です。

「さび砂壁」は茶室に良く使われますが鉄分を含んだ砂を塗ったもので鉄がさびて星状に点々と錆が浮く壁です。

どれも本来その土地の土を塗るのですが、私もこれらに関しては既製品の四国化成などの塗り壁材で代用して使っているのが現状です。
(2012.7.27)

左官の文化でその地方の土を塗る文化が無くなって既成壁材を塗るのが一般化してしまった現状では
本来の「土壁」とは少し違って、古い左官曰く「似て非なるもの」になるのでしょう。

土の色は変化しませんが化学的に色を付けた最近の壁材は経年変化で色が抜ける事が多くあります。


            

ジュラク壁                 大津壁              さび砂壁
(2012.7.28)





ブロック下地で京外壁を塗った塀30年間メンテランスなく健在な状態 

左官仕上げの壁は、汚れると言うイメージが強いようですが、少し雨がかからないように工夫してやるとかのほんの少しの気遣いで長く持つものです。

これは材料に限った事ではなく建築一般に共通する事だと思います。

本当の土の世界はもっと奥が深い世界だと思いますが、私の経験する範囲内で書きました。(2012.7.29)


「木」

木は前にも書きました、吸放湿性能に優れた材料です。

また、構造材にも仕上げ材にもなり構造材としては軽量で引張力、圧縮力がほぼ同じでバランスの良い材料です。

ただ、可燃性という欠点もあります。

建材となるまでに20年以上かかりますが、その間に二酸化炭素を吸い酸素を放出します。

21世紀を代表するサスティナブルな材料の代表と私は考えています。(2012.7.30)




柱の切れ端があります。これから少し木を勉強してみます。

この木は木曽の桧材(ヒノキ)です。とても良いヒノキの臭いがします。

写真の下の方の同心円状の年輪の付いた面を見てください、この面を建築用語では木口(コグチ)と呼びます

中心から色の付いた年輪と外側は色の付いていない部分に分かれます。(2012.7.31)

少し赤みの色の付いた部分が芯材(シンザイ)といい木の中心の材料です。(赤味(アカミ)と呼ばれることもあります)

色の付いていない部分が辺材(ヘンザイ)で木の表面皮側に近い部分です。(白太(シラタ)と呼ばれることもあります)

この柱は10cm角位の大きさですが、仮定として直径50cmのヒノキから切り出された柱とするとこの柱の左右と上下に同じ大きさの柱が切り出せます。

左右、上下の4本の柱は色の付いていない部分辺材の柱となります。

この柱は芯材が付いているので、芯付柱と言います。(2012.8.1)

芯材は堅く強度もありまあすが節が出やすい特徴があります。

辺材は柔らかく強度も芯材より落ちますが節が出にくい部分です。

木口の右に切れ目があります、これを背割りと言います。木は乾燥するとひびが入って割れるのですが背割りをしておくと、この部分で変形しますのでこの部分以外の割れが少なくなります。背割りのある部分を壁の中に隠す様に配置します。(2012.8.2)


年輪の間隔をよく見ますと背割りの右側が広く左側は狭くなっていますのでこの木は背割り側の右側が南向きに立っていたことが分かります。

この木の右と左の年輪間隔の差はそれほど多くありませんのでたぶん北垂の斜面で南面と北面の日光の差も少なかった環境で育った木でしょう。

木口の上の面を見てください、タケノコ模様の木目が見えます、この模様を板目といいます。

タケノコ模様のとがった方が上になっていますのでこの木は上方向が樹上(建築用語で末口(スエクチ))で、下方向が根の方向(建築用語で元口(モトクチ))になります。

昔の大工は木の育った状態で柱を設置したそうです、末口を上に、南の面を南向きにして建てられました。

最近はプレカットで工場で加工されることが多く、方位は当然無視され、上下も逆になっている事も多くなりました。
(2012.8.3)

      

左の写真は杉の芯材でタケノコ模様の板目(イタメ)になります。

右の写真は桧の辺材で上下真直ぐな平行線の柾目(マサメ)になります。

板目と柾目は仕上げ材としてよく出てくる言葉です。

板目と柾目では同じ材料の板張りの壁でも趣がガラッと違うものになりますので正確に図面に指定して伝える事になります。
(2012.8.4)


左の杉の木口を見てください年輪から見て上方向が木の中心、下方向が木の皮側になります。

木は乾燥すると変形します。

変形の基本は木の中心より木の皮側の方が縮小します。(これが原則、原則を知っていればそりをある程度予測できます)

ですからこの写真の板は下側が縮小しますから ⌒ 型にそります。

この原則からかなりいろんなケースのそりを予測できます。(2012.8.5)

 
木には多くの樹種がありますが大きく分けて「針葉樹」と「広葉樹」に分かれます。

針葉樹の木で代表的なものは桧、杉、松、ヒバ、つが、などがあります。



写真の左より杉、つが、桧

針葉樹の木目は繊維が素直できれいな木目になります。
(2012.8.6)


広葉樹の木で代表的なものは栗、なら、たも、せん、ラワンなどがあります。


写真左より栗、なら、たも

広葉樹の木目は繊維が交差していてザラッとした木目になります。

広葉樹の繊維は複雑で針葉樹よりそりなどの変形の予測は難しいと思います。

私は同じ部屋では広葉樹と針葉樹を並べて使うことを嫌って一緒に使う事は避けています。(2012.8.7)


基本的には木は乾燥させて使うものですが、現在は未乾燥の木材が流通していますので神経を使ってチェックする必要があります。

建築用語で含水率(ガンスイリツ)(木がどれほ水分を含んでいるかを示すもの)があります。

構造材で15%、仕上げ材で10%が基本です。

木の比重は針葉樹より広葉樹の方が重く、強度も針葉樹より広葉樹の方が強くなります。
(2012.8.8)

針葉樹で私の良く使う木を紹介します。



桧(ひのき)

私の事務所は名古屋にあります、名古屋は木曽、東濃、尾鷲、吉野など桧の産地が近隣にあり、私は地産の材料と考えています。

強度も、耐久性もあります。木肌は緻密で色白の肌です。加工がしやすく、桧特有の臭いがします。

大工さんの文化では最高の評価を得ている材料と思います。
(大工さんの文化では節がない事、加工がしやすい事が評価基準の様に思います)

私の評価は、節や加工のしやすさはさほど評価基準になりませんが、

耐久性や、木肌、木目、臭いから評価して構造材としても、仕上げ材としても、とても良い材料と思います。(2012.8.9)



木曽桧 柾目 (2012.8.10)


私は桧を果物に置き換えて「りんご」の様だと思っています。

寒い地方の産地の方が年輪も細かく強度もあります。暖かい尾鷲産と寒い木曽産では違いが出てきます。

私は桧を、木造住宅の柱、シロアリ被害にあい易い、束、大引き、根太、土台などに使います。
(私は真壁はあまりありませんので、芯付の節あり柱をよく使います)

少し高価ですが100年持つ住宅を考えると決して高価ではなくむしろお値打ちと思います。(2012.8.11)



杉(すぎ)

第二次大戦後戦時にハゲ山となった所に杉が植林されました。

植林された杉の多くは海外の木の価格競争に負け切り出されることも、管理されることもなく放置されている物が多くあります。

植林後60年以上たち十分建材となるまで育っています。

多く残りすぎて花粉の時期には大量の花粉が飛び問題となります。

皆さん、米栂、ホワイトウッドなど外国の木を使うのは辞めて杉を使いましょう!(2012.8.12)

杉は桧と比較すると、強度や耐久性が桧には劣りますが、十分満足する強度や耐久性があります。

しかし、その品質や乾燥状況で杉の場合強度や、耐久性が変化します。

木肌は少し赤茶っぽく木目は桧と比べてすこし荒い感じです。

杉も杉らしい良いにおいがします。杉のにをいを付けるため酒樽に使われたりします。

また、和菓子の箱にも杉柾目のきれいな材が良く使われます。

杉は和室の仕上げ材としては昔からよく使われてきました。
(2012.8.13)

                        ]

                        吉野 杉  

私は杉を果物に例えて「なし」の様だと思っています。(2012.8.14)


杉は水を多く含んでいます、建材にするにはこの水を十分乾燥する必要があります。乾燥させると軽くなります。

構造材にも仕上げ材にも使われます。


私は予算が取れない時構造材に杉を使う時もありますが、ほとんどは間柱や下地材によく杉を使います。

また、外壁材としても良く使います。窯業系サイディングより杉の方がよく持つと思います。
(窯業系サイディングは昔よく工場の壁に使っていたスレートに模様を付けペンキで塗装した様なもので私が使ってみたい物はほとんどありません)



杉 外壁 縦本ざね張り

潮風にも強いので昔から沿岸部の民家の外壁に使われてきました。(2012.8.15)

仕上げ材としては、やはり和室に使う場合が私は多く、

桧で和室をまとめるか?

杉で和室をまとめるか?よく迷います。

                     
                    杉でまとめた和室、障子材、天井材も杉で落ち着いた和室となる。(2012.8.16)


関東、関西の桧が地産ではない地域の建築家は杉をよく使っているようです。

よく乾燥された材料にするため、伐採してすぐ枝払いをせず、葉の付いた状態で乾燥させることを葉枯らしといいます。

葉枯らしでよく乾燥された杉材は木肌の艶も良いように私は思います。

名古屋にいる限り、構造材での選択は桧で変わりはないと思いますので、杉は今後も仕上げ材、間柱などの下地材として使うことになると思います。
(2012.8.17)


松(まつ)

松はヒノキ、杉より強度があり特に曲げ強度がある特徴があるので、梁として使うことが良くあります。

木目は少し荒く色は黄色みがかっていますが年数が経つと黒っぽくなってきます。

ヤニ壺があってそこからヤニが出てきます。(20121.8.18)

床の間の床板に松を使う時もありますが、ヤニが出ますのでそのヤニをワックス代わりに毎日拭いていると黄金色から飴色の床の間になります。

拭く手間を忘れるとヤニが固まり見られない床の間になりますから、毎日の手入れを約束できるクライアント以外は使用できません。

かって、里山には黒松が多く植えられその黒松を民家の梁に良く使っていました。このような黒松を地松と呼んでいました。(2012.8.19)



                      
                              地松の梁を表しにした部屋

地松は比較的安価に手に入っていましたが、最近里山も少なくなり地松も松くい虫にやられて少なくなりました。(2012.8.20)

私の家にも里山がありました、伊勢湾台風で何本かの黒松が倒れてそれを板材にして屋根を掛けた下屋に積んでありました。

子供のころの良い隠れ家でしたがそこで隠れているとズボンがヤニで汚れてすぐばれました。(2012.8.21)

里山には正月の門松、笹、まんりょう、鏡餅の下にひく裏白など何でもそろいました、

また屋敷の中には赤飯のナンテンや寿司のバランなどが植わってすぐ手に入る様になっていました。

民家の材料のみでなく生活に必要なものは全て身近にあった時代で、今では逆に豊かさを感じます。(2012.8.22)

最近は一般的な梁は輸入材の米松が使われることが多くなっています。


四角い米松の梁を建て方で取り付けている(2012.8.23)

松は桧に比べて湿気に弱く濡れるような場所では良く腐りますので梁の様な乾いた場所に使います。

またシロアリにも弱いように思います。(2012.8.24)

腐り、シロアリは洋材のホワイトウッド、米栂、米松は特に弱いように感じます。

米松で仕上げ材として使うものを、ピーラーと呼びます。ピーラーは目が摘んでいてきれいな木目です。

                                      
                                      ピーラー材
ピーラーも松ですから年数が経つと黒っぽくなってきます。(2012.8.25)

松材はパインとも呼ばれます。アメリカのカントリーぽい家具などはパイン材で良く作られています。

素朴な感じで節がよくあります。(2012.8.26)

ひば(ヒバ)

ヒバは桧に似た木ですがきめが細かく脂分の多い独特のヒバ臭のする木です、青森のヒバが有名です。

桧以上に腐りに強いので土台に使われます。(2012.8.27)

                             
                             ヒバ 板目 (柾目と思われるようなきめ細かい木目)

以前住宅の床材をカーペットを敷き詰めていた時は窓枠や、ドア枠などの造作材にヒバを使っていました。

癖のない品のある材料ですが、工作中の手垢が何年かすると浮いてくる事が良くあります。(2012.8.28)

ですからこの材料を使う時は仕上げ鉋(かんな)をかけた後すぐワトコオイル(オイル拭きの一種)で一回塗装してから作業しました。

木製建具にも良く使いました。(2012.8.29)

手間はかかりますがヒバは私のお気に入りの材料の一つです。

床のカーペット敷き詰めがダニの問題で敬遠され、

カーペットに変わってフローリングの材料は広葉樹が多いので造作材のヒバも出番が少なくなりました。(2012.8.30)


ダニに関しては実際はフローリングやカーペットの材料よりは掃除機の掛け方に問題があって

カーペットの家庭でもダニの少ない家庭も多くあります。(2012.8.31)

少し話題がそれますが、ダニの湧かない掃除機の掛け方を書きます。

1m角の床をゆっくりと掃除機を掛けます、掃除機のヘッドが25cmですから1mは4回ですが重ねを入れて5回とします。

1回掃除機のヘッドが1m動かすスピードは6秒のゆっくりとしたスピードがコツです。

5回で1uを30秒でゆっくり掃除機をかけ、部屋の隅や、棚の裏や隅、ベッドの下などの掛けにくい場所もしっかり掛けると良いでしょう。

布製のソファー、ぬいぐるみ、階段部分にもよく掃除機をかける必要があります。(2012.9.1)

フローリングでも全く同じです。フローリングで拭き掃除をよくする家庭でダニが多いケースもあります。

フローリングの溝に毎日水分を供給してダニを栽培していたことになっていたようです。

ダニには拭き掃除より掃除機の方が有効です。(2012.9.2)


米栂(べいつが)

北米産の栂(つが)で安価のため輸入量が多く、建売住宅などに多く使われています。

米栂は強度も桧より落ちますし、腐り、シロアリにも弱い材料です。


色白で見かけは良い米栂

昔からの大工は「米栂は紙だ!」と言っていたことを思い出しました。(2012.9.3)

色は白く、きめは細かくて細工はし易いので最近の大工は良く使っています。

私はドア枠や窓枠でペンキで白く塗る時のみ使います(水のかからない場所に限ります)

構造材としては使いません(2012.9.4)

在来工法のハウジングメーカーや、建売住宅ではほとんどの柱がこの材料です。

また、米栂の土台で腐りや、シロアリのために防腐剤や防蟻材に漬けた材料を土台材と言って使いますが問題外の材料です。

米栂を使うなら国内産の杉を使ってほしいと思います。

価格が!と言われそうですが、大量生産大量消費の時代はとっくに過ぎ、

100年持つ文化を造る企業のみが生き残れる時代だと私は考えます(2012.9.5)


ホワイトウッド(ほわいとうっど)

最近現場でホワイトウッドを使って良いですかと聞かれ調べてみました。

米栂よりも安くて、白くて節がなく、加工しやすい木で、一見きれいに見えて、

最近の大工が使いたがる傾向の木(昔の大工は鼻にもかけない木)だと思いました。(2012.9.6)

                    
米栂より色白で見かけは良いが使ってはいけないホワイトウッド

たぶんパイン材の一種だと思うのですがこの材料米栂より腐り、シロアリに弱いのだそうで 到底建築材料として認めるわけにはいきません。

しかし大手住宅メーカーではホワイトウッドを集成材として(集成材は細かい木を貼り合わせて作った材料でより安くできる)柱に使っているそうで

また建売住宅ではかなりの割合でこの材料を使っているとの情報で、10年先に問題が起こってきそうに思います。

私には信じられない事です。(2012.9.7)

外材の針葉樹は一般的に腐り、シロアリに弱いと思って良いと思います。

また日本の高温多湿の環境には合わない材料と私は思います。(2012.9.8)

ですから、ツーバイフォーの住宅はすべてこれらの材料を使い壁の中も空気が移動できない構造ですから、

日本の高温多湿では腐りやカビが発生しやすい工法だと考えています。(2012.9.9)

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