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建築  雑コラム 30

Architecture         The s   Column    

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ニューヨークの建築

昨年の10月にニューヨークに行ってきました。

今年はフォートワース・ダラス・シカゴに10月の末に行く予定をしています。

5月にはデンマーク・コペンハーゲン、フィンランド・ヘルシンキ  に行ってきました。

少しコラムが貯まって遅れがちになってきました、

まずはニューヨークで見てきた建物から語っていきたいと思います。

ニュヨークの玄関口、国際空港と言えばジョンFケネディー空港でターミナルも第8ターミナルまであって

現在は第3と第6ターミナルが閉鎖になっていますので6つのターミナルがあります。

各ターミナルをエアートレンが循環しています。

建築的に有名な建物はエーロ・サーリネンが1962年に建てた、第5ターミナルのTWAターミナルです。

           
      TWAターミナル(2016.9.23)


           
エーロ・サーリネン(1910年〜1961年)(2016.9.24)

                
                         TWAターミナル(2016.9.25)

エーロ・サーリネンはアメリカを代表する建築家ですが、彼の父エリエル・サーリネンもフィンランドヘルシンキ駅を設計した有名な建築家で

アメリカに移住してミシガン大学で建築の教授となってアメリカの建築家を育てている。


エリエル・サーリネン(1873年〜1950年)(2016.9.26)


          
          ヘルシンキ中央駅

アメリカは移民の国と言われるが、建築家もエリエル・サーリネン、ミース・ファン・デル・ローエ、

ヴァルター・グロピュース、ルイス・カーンなど移民してアメリカの建築を発展させた人たちの名前が浮かぶ。

またアメリカは1776年(江戸時代中期)に独立した現在240年の若い国ですが、現在は先進国の先端を担う国になっています。(2016.9.27)

そしてアメリカは自由を最も大事にした国です。

フランス革命の時「自由・平等・博愛」の理念を歌い、アメリカは「自由」を、ソ連は「平等」を重んじて夫々

発展したがソ連、中国、北朝鮮の共産主義の平等を重んじた国は日本以上の格差をもった国になっていますし、

ソ連は利権にからまって国が疲弊して崩壊しました。(現在の日本もよく似た状態に思えるのは私だけだろうか?)

また、自由を重んじたアメリカもアメリカ中心の偏見した自由が起こした戦争が多くのひずみを世界中に生んでいるように思います。

独立100年を記念して「自由の女神」がフランスから送られた頃は「自由」の理念が輝かしくまた、

希望をもっていた時期だったのだろうと思われます。

        
            自由の女神 1886年(2016.9.28)

たまたま写ったカモメが 自由の国を襲う テロリストに見え 9.11のワールドトレードセンターに突っ込んだ飛行機を思い出させるのは


カモメ

現在の世界の流れを皮肉った、アイロニーな写真となりました。(2016.9.29)

まず観たかったフランク・ロイド・ライトの設計したグッケンハイム・ニューヨーク美術館へ行きました。


グッケンハイム・ニューヨーク美術館(1959年)(地下鉄86St駅から徒歩10分)(2016.9.30)

セントラルパークのほぼ中央の東隣に位置しています。

               
               フランク・ロイド・ライト(1867年〜1959年)(2016.10.1)

ライトの晩年の傑作と私は思っています。カタツムリの様に渦巻いた外壁の外観は今でも斬新で薄クリームがかった白い外壁の色も

ライトらしい選択だと思えてきます。

                                     
                         薄クリームがかった白い渦巻いた外壁(2016.10.2)

ライトの建物はどの建物もエントランスは低く創られています。背の高い人だと手を上げれば天井に着く位の高さです。

その低いエントランスを通り抜けると高くて広いホールの空間が劇的に表れます。


ホール(2016.10.3)

      
       ホール天井のトップライト

                    
                    ホール上部から(2016.10.4)


                                 
                                 有機的な曲線で創られたトップライトの詳細(2016.10.5)

この美術館はまずホールからエレヴェーターで最上階まで登ってそこから渦巻きのスロープを降りてくるとすべての作品が見えるように考えられています。

しかしこのスロープの勾配が作品の鑑賞に良くないといわれる評判もあります。たしかにゆっくり鑑賞するには少し違和感を感じます。


スロープでの鑑賞(2016.10.6)

この美術館はカンディスキーの作品を多く持っていますが、その作品の展示室は3階のフラットな床の特別室に展示してありゆっくり見ることができました。


ワリシー・カンディスキー(1866年〜1944年)(2016.10.7)

この建物はラーメン構造でも壁式構造でもなく渦巻く壁と放射線状の壁そしてスロープの組み合わせで構造が成り立っているように思われました。

詳しくは構造設計の先生にお聞きしなくてはなりませんが。

渦巻く外壁の上部にもトップライトが考えられていて作品を飾る壁に明かりを与えています。

                    
                    渦巻く壁の上のトップライト(2016.10.7)


内部からのトップライトと放射線状の壁(2016.10.8)

グッケンハイム美術館を南に少し下ったセントラルパークの中にメトロポリタン美術館があります。

              
              メトロポリタン美術館(2016.10.9)

アメリカが威信をかけて集めた美術館らしくフランスのルーブル美術館、イギリスの大英博物館などに負けないくらい多くの物を世界中から

集めてあります。私は少し侮って3時間もあれば見れると思っていましたが、全然足りなく最後の日にもう3時間見て回っても見切れませんでした。

日本の物も多く尾形光琳や、快慶の作品も並べられていました。

メトロポリタン美術館の東斜め迎えあたりにマルセル・ブロイアーが設計した旧ホイットニー美術館があります。


旧ホイットニー美術館(1966年) 石張りの空間が段々に持ち上がった建物(現在は使われていませんでした)(2016.10.10)

マルセル・ブロイヤーはハンガリーで生まれバウハウスで学びアメリカへ移住した建築家ですが、家具のデザイン特にパイプ椅子が有名です。

                                          
                                         マルセル・ブロイアー(1902年〜1981年)


どこかで見たことがあると思います、マルセル・ブロイアーのデザインのパイプ椅子「ワリシー・チェアー」(2016.10.11)



ロックフェラー・ゲストハウス (1950年)(2016.10.12)

この建物は地下鉄51St駅東にありますが目立たなくとても見つけにくい建物でした。

一階がレンガタイルで2階はコールテン鋼のフレームとガラスで構成されています。

フィリップ・ジョンソンの初期の自邸ガラスの家の次の年に建てられています。ガラスの家と同じ材料で創られたと思われます。


フィリップ・ジョンソン(1906年〜2005年)(2016.10.13)


                 
                中央の木製ドア、真鍮の金物、小口に収められた真鍮のインターホン

後のポストモダンの作品より私はこの作品の方が好きです。(2016.10.14)

地下鉄51St駅の近くにはこの他にミース・ファン・デル・ローエのシーグラムビルがあります。


シーグラムビル(1958年)(2016.10.15)

               
               ミース・ファン・デル・ローエ(1886年〜1969年)(2016.10.16)

現在のカーテンウォールの高層ビルのモデルとなった建物で、この建物を手本にどれだけ沢山の高層ビルが世界中に建てられたか知れません。


マリオンを外に出しコーティングされたガラスの嵌め殺しの納まり(2016.10.17)


                       
                       エッジのきいた納まり


足元はピロティーで浮かせてモノクロなデザインでビシッと決めている。(2016.10.18)


                      
                      天井は照明器具を仕込んだ明かり天井のようだ。

ミースの厳格な性格が伝わってくるような建物です。(2016.10.19)

シーグラムビルの斜め前にアメリカの大規模設計事務所のSOM(スキッドモア・オーウィングス&メリル)が設計したリーバ・ハウス(1952年)

があります。少し緑がかったガラスのシンプルな高層ビルで低層部は中庭を囲むピロティーのパブリックスペースがあって、その当時では斬新な

空間だったと思われます。このビルと同じようなスタイルの高層ビルが世界中で見れるのはこのビルの影響力の大きさを知ることになりました。


リーバ・ハウス(1952年) 低層部屋上は緑化されていてかなり大きな樹木が屋上から生育している。 (2016.10.20)

                  
                  ピロティーパブリックスペースの中庭(2016.10.21)

1952年にこのビルができたのはシーグラムビル以上にすごいと思います。

リーバ・ハウスの近くにレイムンド・アブラハムの設計したオーストラリア文化フォーラムがある。


中央の斜めの壁のビルがオーストラリア文化フォーラム(2002年)です。(2016.10.22)

                         
                         とても細い建物でポストモダンの影響が強い建物だと思います。(2016.10.23)

もう少し先にニューヨーク近代美術館(MOMA)があります、その隣にエーロ・サーリネンの最晩年の作品CBSビル(1965年)があります。


CBSビル(1965年) 外壁にジェットバーナー仕上の石が使われています。(2016.10.24)

ガラスと鉄のみの高層ビルと比べるとやはり石を使っている分どっしりとしています。

                 
                 凹凸の柱の縦リブのデザインがとてもうまく納められています。(2016.10.25)

シーグラムビル、リーバ・ハウスの様なモダニズム建築の最先端から外れる時にポストモダンの方向に外れたパターンと違って、

石を使うこうゆう方向への外れ方もあったのだと思いました。

私自身このデザインはとても気に入っています。たぶん日本の大手設計事務所や、大手ゼネコンもこれをまねた建物を多く造ったことだろうと思われます。


エントランスの納まりもとてもシンプルです。(2016.10.26)

                    
                    足元も少し掘り下げサンクンガーデン風になっていてこの感じも都市の中の一つの空間を生んでいます。

都市の中の高層建築の在り方を勉強できる良い作品だと思います。(2016.10.27)

さて、ニューヨークで一番観てみたかった建物、ニューヨーク近代美術館(MOMA)に行くことにします。

この建物は1939年から何度も増築されています。有名な増築は1964年にフィリップ・ジョンソンの増築


1964年フィリップ・ジョンソンによる増築部分 鉄とガラスの初期のジョンソンらしい建物です。(2016.10.28)

1983年にはアメリカの建築家シーザー・ぺリ(1926年〜)によって増築されています。


                   
                   シーザー・ペリ(1926年〜)

             
             シーザーぺリによる増築部分奥の高層部分は谷口吉生による増築(2016.10.29)

そして2004年にコンペで選ばれた日本の建築家谷口吉生が増築しました。

                     
                     谷口吉生(1937年〜)


谷口吉生による増築部分にあるエントランス。(2016.10.30)

以前にも書いたと思いますが、谷口吉生の美術館の構成は入り口から出口までの決まった動線の空間の変化が基本となっています。

しかしこの建物は他の美術館と比較して動線の強制力は少ないと思われますが、ライトのグッケンハイムと同じようにエントランスからエレベーターで

最上階に上り、上の展示室から下の階の展示室を見るように構成されています。

展示室は天井高が高く空間の主張はなく作品の展示に自由度があるように思われました。(グッケンハイムとここは違う)

                         
                         高い天井そして展示物によって稼働できる展示壁によって自由度のある主張しない空間となっている

谷口吉生の増築及び改装によってこの美術館は中庭と美術館の空間が一体となり、また美術館内も縦に吹き抜けた空間と横に抜け中庭へ続く

空間が交差することによって全体の空間の繋がりができました。(2016.10.31)

この空間の繋がりは日本の数寄(透き)の空間と共通するように思われた。


2階から最上階の展示室に入るブリッジまでの縦の吹抜け(2016.11.1)


               
               動線の途中で所々から見える中庭(2016.11.2)


                           
                           縦の吹抜けと1,2階の横に抜け中庭につながる空間(2016.11.3)


               
               中庭 ニューヨークのポケットパークとなっている。(2016.11.4)

ポケットパークと言えばこの近くにザイオン&プーリンの設計した、有名なペイリーパークがあります。


ペイリーパーク

ぎっしり詰まった街中にぽっかり空いた空間に木陰と正面には水のウォールの滝があります。(2016.11.5)

                
                ちょっと一息つきたくなる、安心できる空間です。(2016.11.6)

街の中心に近い地下鉄59St Columbus circle駅近くには SOM が設計したタイム・ワーナーセンターがあります。

世界のどの都市にあってもおかしくないガラスの建物です。


タイム・ワーナーセンター (2003年)  SOM

ガラスのツインタワー 東京の写真と言っても不思議さがない無国籍の建物が世界中に建つ時代が現代なのだと再認識しました。

この建物の所有者は、現在大統領選挙で共和党の代表のトランプだそうです。(2016.11.7)

この建物の隣にフィリップス・スタクルが設計したハドソン・ホテルがある、

                            
                            外観はタイル張りで目立たなく見つけにくい(2016.11.8)

温室の様だがとても暗いホールと受付が特徴で私が学生位の時に、雑誌で見たような気がします。


温室の様なハドソンホテルの受付  

そういえばこんな雰囲気の喫茶店原宿にあったような過ぎ去った一時代を思い出しました。(2016.11.9)

400mほど西にノーマン・フォスターが1926年に建てられた旧建物のファサードを残して設計したハーストタワーがあります。


ハーストタワー(2006年)  

                   
                   イギリスの建築家ノーマン・フォスター(1935年〜)(2016.11.10)

三角と菱形を組み合わせたフォスターらしい建物です

                              
                              三角を組み合わせて凸凹のファサードはかなり個性的(2016.11.11)

こんなスタイルの高層ビルは他にはなくかなり個性邸で印象は強いのですが、私は下層の旧の建物とのバランスが悪く、

旧建物を踏んづけた新建物に見え、鬼を踏んづけた仏像を見る様な思いをしました。


旧建物を踏んづけた新建物(2016.11.12)

ニューヨークの中心タイムズスクエアーに来ました。


壁面全体が液晶モニターの看板があちこちにあってとても落ち着かない空間で遊歩道のスペースもあります。

私にとってこのスペースはあまりに過激で落ち着きません、急いで立ち去ることにしました。(2016.11.13)

もう少し行くとアメリカのマイアミに事務所があるアルキテクトニカの設計したウェスティンニューヨークホテルがあります。


ウェスティンニューヨークホテル

いろんな色形の組み合わせで遊んだポストモダンの建物で私には感動するところは一つもありませんでした。(2016.11.14)

この建物のすぐ近くにイタリアの建築家レンゾ・ピアノの設計した、ニューヨークタイムスビルがあります。

              
              ニューヨークタイムスビル(2008年) (2016.11.15)



レンゾ・ピアノ(1937年〜)

この建物はレンゾ・ピアノらしく鉄骨を細部まで丁寧にデザインした、傑作だと思います。

                       
                       前面にかけられたスチール製のルーバースクリーン、ブレースもデザインされている。(2016.11.16)



ブレースと梁柱との納まり

                            
                            カーテンウォール 外部に出たマリオンのデザイン

中に入って観たいのですが、警備が厳重で見ることができませんでした。

間違いなく内部も素晴らしい建物だと思います。ニューヨークではレンゾピアノの建物はこのほか数点見ましたが、この建物が一番です。(2016.11.17)

ギャラリーや、最新アートの発信地として有名なチェルシー地域にフランク・O・ゲーリーが設計したIAC本社ビルがある。(14St駅)


IAC本社ビル(2007年)

ガラスの不変景な建物ですが、基本はラーメン構造の建物で外形線を変形したカーテンウォールで造られている。

以前にも書きましたが、ゲーリーの建物は日建が設計した建物の様にディテールが上手に納まって来ました、と同時に手作り感が少なくなって

ゲ−リーらしさはなくなっています。(2016.11.18)


                 
                 ガラスのカーテンウォール


ディテール(2016.11.19)

IAC本社ビルから南に少し下ると、以前鉄道の高架だった架構の下に安藤忠雄が設計した日本料理店モリモトニューヨークがある。


モリモトニューヨーク  あいにく当日は休業していました。(2016.11.20)

このかって鉄道の高架を遊歩道公園にデザインしたものが、「空中公園ハイライン」です。


右下から前のビルの中央を抜けていく「空中公園ハイライン」

                    
                    植栽もよく育ち街を抜ける緑の空中公園はとても面白い空間でした。(2016.11.21)

ハイラインを南に下って出口の近くに2015年にレンゾ・ピアノの設計で新しくできたホイットニー美術館(14St駅)がある。


ホイットニー美術館 (2016.11.22)


                
                1階はガラス張りで鋼板のカーテンウォールの上層階の重たいボリュームを何とか持ち上げている。(2016.11.23)

この建物は前出のニューヨークタイムスビルの後にできているがレンゾ・ピアノらしくない建物で上階のレストランから屋外に出るデッキのデザインだけは

少し楽しい空間でした。

                          
                         上階デッキ部分 (2016.11.24)

展示室の空間は谷口吉生のMOMA美術館の空間とほぼ一致しているように感じました。


天井の高いかなり広いこのスペースが現代美術の展示にたぶん一番合っているのだろう。(2016.11.25)

ニューヨークで最近できた美術館でもうひとつ、日本建築家ユニットの妹島和世と西沢立衛のSANAAの設計のニューミュージーアムがマンハッタン

の南旧市街Jライン、Bowery駅 から徒歩10分ほどにある、中国人をよく見かけるのでアジア人の多い地域かもしれない、少し治安は悪そうです。


SANAA  西沢立衛(1966年〜) と 妹島和世(1956年〜)


ニューミュージーアム(2007年) (2016.11.26)

四角い積み木をずらして積み上げたような建物です。外壁はエキスパンドメタルで覆われています。

最上部の二本の棟はウサギ好きな妹島さんの遊びのように思われます。

           
                     外壁のエキスパンドメタルと、なぜか吊られているヨット、上裏も細かいエキスパンドメタル(2016.11.27)

いたるところにアルミのエキスパンドメタルが使ってあります。

                            
                            1階ホール 天井も、家具もエキスパンドメタル (2016.11.28)



最上階展望室 (2016.11.29)

この美術館はかなり厳しい予算で建てられたのか、それとも、現代美術専門館として倉庫の美術館ぽくチープにしたのかもしれません。

              
      展望室外のベランダはガラスの手摺で開放的でマンハッタンの街並みが良く見れます。 左にWTC1が見えます。(2016.11.30)



展示品はポップアート的なものが多くあります。大きな梁が2.5mピッチに並んでいます。たぶんずれた上階の柱を受けていると思われます。
(2016.12.1)

展望台からWTC1(ワールドトレードセンター1)が見えましたので、9.11のテロのあったワールドトレードセンター跡地に行く事にします。

2001年9月11日に起こったワールドトレーディングセンターに2機の飛行機が突入しました。

ツインタワーのビルは崩れ去り多くの犠牲者が出た事件は忘れることができません。


2001年9月11日ワールドトレーディングセンター (2016.12.2)

このワールドトレーディングセンターの設計は日系二世のミノル・ヤマザキで、アメリカでは有名な建築家でした。

                         
ミノル・ヤマザキ(1912年〜1986年)                              旧ワールドトレーディングセンター

その後この跡地はグランド・ゼロ と言われる様になります。 (2016.12.3)

跡地の再建デザインのコンペが行われポーランド系アメリカ人の建築家ダニエル・リベスキンドが「メモリー・ファンデーション」と題し採用されることになった。


ダニエル・リベスキンド(1946年〜)

旧建物のツインタワーのあった場所は慰霊地とされそれを取り囲むストーンヘッジの様なビル群の提案でその後リベスキンドとWTC主体者と

折り合いが悪くなり、WTC1の設計はSOMがすることになるが、慰霊地として残すデザインは残された。(2016.12.4)


旧ツインタワーの位置を慰霊地の滝とし滝の周りを囲む黒御影石には慰霊者の名前が刻まれています。

                  
                  慰霊地の滝

この慰霊地を囲むようにビルが建ち並びますがまだ建設途中の物も多くあります。(2016.12.5)

まず最初にここに訪れるのはまだ建設中のトランスポーテーション・ハブになります。スペインの建築家サンティアゴ・カラトラバが設計しています。


サンティアゴ・カラトラバ(1951年〜)



トランスポーテーション・ハブ (建設中)

                         
                         地下通路部(一部使用可) (2016.12.6)

WTC1 (ワールドトレードセンタータワー1) は2014年に竣工しSOMのディビット・チャイルズによって設計されました。


WTC1 底辺の四角形と頂部の小さくした四角形を45度ふって構成されています。

WTC1はたかさが541.3mありマンハッタンの至る所からも確認できます、高層ビルのデザインとしては私は良いデザインだと思います。

                      
                      WTC1展望室からマンハッタン島北方向を見る (2016.12.7)

WTC2はノーマン・フォスターが設計して2021年に完成予定です。WTC3はリチャード・ロジャースが設計して2018年完成予定です。

WTC4は日本の建築家槙文彦が設計して2013年に竣工しています。


槙文彦(1928年〜)

                
                WTC4

ガラスに映る空と建物が一体化してボリューム感がなくなるような建築でガラスの色や、反射透明度など繊細な選択がされているのだと思います。

                         
                         WTC4 1階ホール  (2016.12.8)

WTC5,WTC6はまだ詳細は決定されていません、WTC7は2006年にWTC1と同じくSOMによって設計されています。


左手前がWTC1 奥がWTC7 同じ設計事務所SOMによるデザインだが 統一感がない (2016.12.9)

2019年にフランク・O・ゲーリーの設計で芸術交流センターが竣工予定になっています。

WTC跡地の迎えにワールドファイナンシャルセンターのツインタワーがあります。

設計はアルゼンチンから移住したアメリカの建築家シーザー・ペリです。


シーザー・ペリ(1926年〜) (2016.12.10)


ワールドファイナンシャルセンター (1988年)

2001年9.11のテロの時にすでに建っていましたのでその影響で大きく破損しましたが、2002年に復旧されました。

                   
                   正面にWTCトランスポーテーション・ハブが見える、地下でハブまでの地下通路がある


パームツリーがあるアトリュームは西海岸をイメージさせる。ニューヨークに西海岸?(2016.12.11)

地下鉄R ラインでPrince St駅に行き駅の前にプラダニューヨークがあるオランダの建築家レム・コールハスのデザインです。


プラダニューヨーク(2003年)

                   
                    レム・コールハス(1944年〜)

内装のみのデザインですが雑多な要素が入り混じっています。(2016.12.12)

数軒隣にイタリアの建築家アルド・ロッシの設計したスコラス・ティック・ビルがある、ロッシらしく白い丸柱に二層おきの赤い梁ラインです。

                 
                 スコラス・ティック・ビル


アルド・ロッシ(1931年〜1997年)(2016.12.13)

もう少し先にフランスの建築家 ジャン・ヌーベルの設計したマーサ40集合住宅がある。

                               
                               マーサ40集合住宅

H形鋼をデザインした建物にみえるが、鋼板を加工したものにガラスをはめ込んだ建物で、オフィースビルの様で集合住宅らしくない建物でした。


ジャン・ヌーベル(1945年〜)(2016.12.14)

もう少し先に歩道に面したギャラリーがあって、私が行ったときはクローズ中でしたので単なる壁になっていました。


単なる壁のストアフロント美術・建築ギャラリー

アメリカの建築家 スチーブン・ホールの設計です。

                        
                        スチーブン・ホール(1947年〜)

開店中はこんな風になっているようです。


開店中のストアフロント美術・建築ギャラリー

楽しい発想の壁で開店している時に是非見たい空間です。(2016.12.15)

地下鉄6ラインのBleecker st駅の近くには、フランク・ロイド・ライトの師匠でシカゴの建築家ルイス・サリバンが設計した ベイヤード・コンディクト・ビル

がある。 サリバンはアメリカの近代建築の父に当たる人物で、「形態は機能に従う」という彼の言葉は、バウハウスや、ライト、コルビュジェ、ミースにも

強い影響を与えた言葉です。

また、鉄を使った多くの高層ビルがサリバンによって作られました。

                  
                 ベイヤード・コンディクト・ビル(1898年)

                                                
                                                ルイス・サリバン(1856年〜1924年)(2016.12.16)

少し歩いたところに、スイスの建築ユニット ヘルツォーク&ド・ムーロン の設計したボンド40アパートメントがある、

ステンレスの上にアクリルでカバーした格子と低層部の鋳物のフェンスの扉を開けるとアパートのエントランスのドアがあります。


ボンド40アパートメント(2006年)

高層部はセットバックされその前には屋上庭園があるようです。

                         
                        低層部の鋳物のフェンス(一部は扉になっていてそこを空けてアパートの玄関扉となっている)(2016.12.17)

前出のノーマンフォスターのマーサ40集合住宅同様、格子状のファサードで どちらも40 どちらもオフィースビルっぽくて住居らしくない。


ヘルツォーク&ド・ムーロン (二人とも1950年〜)(2016.12.18)

近くに アメリカの建築家トム・メインが主宰する事務所モーフォシスが設計したクーパー・ユニオン・アカデミックビルがある。


クーパー・ユニオン・アカデミックビル(2008年)

大胆に変形した外観ですが、建物の外にアルミのパンチングメタルの変形した表皮で被われています。

                          
                          表層のアルミパンチング


トム・メイン(1944年〜) (2016.12.19)

街区は違いますが近くにニューヨーク大学があって大学の図書館、エルマー・ホームズ・ボブスト図書館をフィリップ・ジョンソンが設計しています。


エルマー・ホームズ・ボブスト図書館(1973年)(2016.12.20)

レッド砂岩の外壁の四角いどっしりとした建物です。 

フィリップ・ジョンソン好きの磯崎新さんがレッド砂岩をよく使うのはここらへんにルーツがあったのかもしれません。

一歩中に入ると大きなアトリュームの空間になっています。この空間を中心に各部屋が構成されているのがよくわかります。

                               
                               大きなアトリュームのホール


フィリップ・ジョンソン(1906年〜2005年)(2016.12.21)

図書館の隣にアイルランド出身でアメリカで活躍する建築家ケビン・ローチの設計するニューヨーク大学キンメル学生センターがある。


ニューヨーク大学キンメル学生センター

ポストモダンの時代の建物だと思います、エントランスを入ると勾配のかなりある階段があります。

                                   
                                   内部

学生会館ですから多くの学生が入っていきます。


ケビン・ローチ(1922年〜)(2016.12.22)

ケビン・ローチはエーロ・サリネンの事務所でサリネンの遺作ゲートウェイ・アーチやTWAタミナルビルなどを完成させ

大手建築事務所「ローチアンドディンケル」を設立した。

ケビン・ローチでニューヨークで有名な建物にフォード財団ビル(地下鉄Grand Central42St駅)があります。


フォード財団ビル(1967年)

建物の中心に温室の様なアトリュームがあって、1967年の当時ではとても斬新な建物であったと思われます。

                  
                  大きな木が繁殖する温室公園の様なアトリューム(2016.12.23)
       
フォード財団の近くには国連ビルがありその前にやはりケビン・ローチが設計した国連プラザ1&2がある。


国連プラザ1&2(1976年、1983年)

どこの国の大手事務所の設計する鉄とガラスの建物です。(2016.12.24)

この近くには多くの国の国連関係の建物があります、インドの国連代表部ビルはインドの建築家チャールズ・コレアが設計しています。


インド代表部
コールテン鋼の外壁が一部えぐられて内部が赤白緑の絵が描かれています。


えぐられた上部にはトップライトもあるようです。

                
               チャールズ・コレア(1930年〜2015年)

チャールズ・コレアはインド、ハイデラバードに生まれアメリカ ミシガン大学で学び 日系2世のミノルヤマザキの事務所で働き

1994年に高松宮殿下記念世界文化賞・建築部門受賞していますが、昨年2015年6月16日にムンバイで亡くなっています。(2016.12.25)


国連ビル(1952年)

ル・コルビュジェとオスカー・ニーマイヤーが原案を作り、アメリカの建築家ウォレスK・ハリソン実質設計した国連ビルです。

原案の頃にはル・コルビュジェのスタイルの日光を調整するブリーズソレイユやピロティーがありましたが、最終的にはピロティーもソレイユもなくなって

低層部の緩やかなカーブの屋根がル・コルビュジェとオスカーニーマイヤーのニアンスの残る建物になってしまいました。


ウォレスK・ハリソン(1895年〜1981年)

ウォレスK・ハリソンが設計した建物で リンカーンセンター(地下鉄66St Lincoin Center駅)にあるメトロポリタン・オペラ・ハウスがある。

                   
                   メトロポリタン・オペラ・ハウス(1966年)(2016.12.26)

この建物の廻りにはいくつかの建物があって全体でリンカーンセンターと言われているようです。

まず最初に芸術大学を内包する アリスタリーホール (2009年改築) 


 アリスタリーホール 芸術学校 

アメリカの設計事務所 ディーラ・スコフィディーオ+レンフロ による設計でこの建物の前にある庭園も地面が跳ね上がっている様で

楽しい発想でした。


庭園

                        
                        跳ね上がった屋根と下はホール(2016.12.27)

ニューヨークフィルの拠点のホールがエイブリ・フィッシャーホールで1962年に建てられている。設計はマックス・アブロムービスとあるが詳細は不明です。

オスカー・ニーマイヤーやフィリップジョンソンの初期に似ている建物でした。


エイブリ・フィッシャーホール(2016.12.28)

2005年にノーマン・フォスターによって音響改修が行われている。


デビット・H・コーク劇場

デビット・H・コーク劇場はダンスのための専用劇場で1964年にフィリップ・ジョンソンの設計です。

リンカーンセンター廻りの空間は私はニューヨークで一番落ち着ける空間だったような気がします。(2016.12.29)

地下鉄1ラインで116St Colombia University駅のすぐ前にコロンビア大学があります。

            
             コロンビア大学キャンパス


アルフレッドラナーホール

前面をスロープが行き交う建物がこの大学で教鞭していたベルナード・チュミの設計のアルフレッドラナーホールで学生会館のような使われ方をしていました。

                
                 吊られているスロープ

                           
                           内部から

この様な人の動きを前面に出した設計は、志水先生の岩田写真館のデザインにも通づるところがあって共感します。(2016.12.30)

ニューヨーク最後のビルにフランク・O・ゲーリーが最近設計した8スプルス・ストリートを紹介します。


8スプルス・ストリート

遠くから見るとただの高層ビルですが近くから見ると皺のよった外壁が異様に感じる建物です。

東京でのゲーリー展でこの建物のスタディー模型やスタディーの変遷を展示していましたが、価格を抑えるために外壁の特注のパターンを20%、

規格品の外壁を80%使って予算を抑えたそうです。ゲーリーの意外な一面を見たような気がします。

この建物の中には住宅のみでなく小学校も病院もある複合建築だそうです。

しかし気持ちの悪いビルで私はここに住みたくないと思いました。(2016.12.31)

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