濾胞性リンパ腫のページ
2009年5月に私は濾胞性リンパ腫、W期(胸水が溜まり、脾臓が3倍となっていた)と診断され 
Rリツキサン+CHOP を6サイクル治療し部分寛解(PR)で治療を終了し、
2010年5月に再発 救援療法(サルベージ)CHASERの後、自家細胞移植を薦められたが、
濾胞性は自家細胞移植しても再発の可能性が高い(がん情報サービスのページに書かれていましたが、現在はこのページ無くなりました)で読み
疑問を持ちセカンドオピニオンをお聞きして、薦められた 治験 CMC-544 + CVP 6サイクル で治療し、完全寛解(CR)して現在経過観察11年目を超えました。
この経験から濾胞性リンパ腫に関して聞きかじったホームページ、知識を書き留めたページを作ってみました。

「濾胞性リンパ腫」で検索された同病の初期の患者さんの知識の参考になれば幸いです。
リンパ腫は種類によって治療法はそれぞれ違いますので「濾胞性リンパ腫」の方のみの参考資料とさせてもらいます。

濾胞性リンパ腫の病気とは

まず最初に下記のホームページから基礎知識を勉強して下さい。

がん情報サービス濾胞性リンパ腫のページ

エイザイ機関紙「クリニシアン、リンパ腫特集」濾胞性リンパ腫のページ

キャンサーネットジャパン、もっと知ってほしい血液がん、悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫) 小椋先生の動画

B細胞リンパ腫 標準治療と新しい治療について  永井宏和先生

リンパ腫の新しい治療について  伊豆津宏二先生

CAR-T療法ってどんな療法   後藤秀樹先生


濾胞性リンパ腫は低悪性度ですが、治りにくく再発しやすいタイプです。

リツキサンが出る以前は再発を繰り返して余命7年から10年が一般的と言われています
(35年以上生きられている与謝野馨前財務大臣もみえますが)
リツキサンが出て余命は14年以上と言われる先生もみえますが、やはり人それぞれの様です。


治療

初発


T期、U期 の病状の患者

リツキサンが使われる以前は経過観察をしながら病状の進行を見て治療される事が多かったようですが、
リツキサンが使われる様になって初期治療をする事が多くなったようです。

リツキサン単独療法 この療法で10年以上寛解状態を維持されている患者さんも見えます。

リツキサン+放射線治療

リツキサン+CVP

以上の様な治療法があって下段になるほど強い処置になって体の負担も多くなります。

私の考えでは、出来るだけ上段の治療で完全寛解(CR)まで持っていければと考えます。
(効果が出ない時に順次下の段に治療法を変更する)

CRのチェックはPET検査と血液検査LDH可溶性インターロイキン2レセプター)で確認される事が良いと思います。
血液検査は症状が正確に反映される方と、されない方とある様です。

最初の治療でCRに持ち込めるか部分寛解(PR)で終わるかはその後の再発までの期間に大きく影響すると思いますので
極力CRまで治療を継続される事をお勧めします。



V期、W期の病状の患者

現在日本ではこの状態の治療は

R+CHOPが一般的です。奏功率は90%近くありますので、あまり不安がらないでください。(他のがんとかなり違う)

R リツキサン(一般名リツキシマブ) 濾胞性はB型細胞ががん化しています、そのB型細胞のCD20抗体による分子標的薬

C エンドキサン(一般名シクロフォスミド 抗がん剤

H アドリアシン(一般名ドキソルビシン) 心臓に影響を与えるので一生の内8サイクル投与が限界と言われます。抗がん剤

O オンコビン(一般名ビンクリスチン) 抗がん剤

P プレドニン(一般名プレドニゾロン) ステロイド剤

分子標的薬はがん細胞以外の細胞を攻撃しませんが、
抗がん剤はがん細胞と健康な細胞と区別せず一斉に攻撃する薬ですから体の負担が大きくなります。

私の考えでは多種類の抗がん剤を組み合わせたこの療法はかなり体に負担のかかる療法で、
皮膚科の医者からすると信じれない量のステロイド剤で炎症を抑えている様に感じます。

私の治療経験では最初の日にリツキサンを点滴靜注4時間位
二日目にCエンドキサン、Hアドリアシン、Oオンコビンを点滴靜注3.5時間位
1〜5日までPプレドニン20mg経口

10日〜15日位たつと赤血球、白血球、血小板などの減少がピークとなる特に白血球が減少すると感染症に掛かり易くなるので注意が必要となる。
21日で1サイクルとされ、血液系の回復を見て次のサイクルに入る。
濾胞性では6サイクルから8サイクルが一般的で入院は私の場合最初の1サイクルのみで後は外来で治療できた。

私の経験上T期、U期にも書きましたが出来るだけ完全寛解(CR)を確認するまで治療を継続してCRで終了されると
次回再発までの長期寛解維持が期待できると思います。
CRのチェックはPET検査血液検査(LDH可溶性インターロイキン2レセプター)で確認される事が良いと思います。
血液検査は症状が正確に反映される方と、されない方とある様です。


副作用は 脱毛(ほとんどの方が経験する)、便秘(これも多い)、嘔吐、吐き気(良い薬が出てきて私はほとんどなし、苦しまれる方もいる)
手足のしびれ、赤血球、白血球、血小板の減少、発熱、などがあります。

嘔吐・吐き気に苦労される患者に対するガイドラインが2010年に日本癌治療学会から「制吐薬適正使用ガイドライン」が発表されました。
(このガイドラインをまだ知らない医師も多くいますので、嘔吐、吐き気に困られている患者さんはこのガイドラインに従って薬を出してもらえる様ご相談ください)
CHOPはシクロフォスミド、とドキソルビシンを使いますので高催吐性リスクの治療法になります。
高催吐性リスク対応の制吐療法では急性期はアプレピタント(イメンド)+5-HT3受容体拮抗薬+デキサメタゾンで
また遅性期はアプレピタント(イメンド)+デキサメタゾンで対応します。
5-HT3受容体拮抗薬のパロノセトロンは遅性期にも期待されている注目の制吐薬の様です。
関連の情報からは93%の患者が嘔吐、吐き気から解放されるようになったと書かれています。

R+COP(R+CVPと呼ぶこともある) H アドリアシンを抜いたもの
濾胞性リンパ腫の特徴をよく知ったDrはこの治療を薦められることもあります。
R+CHOPより少し奏効率は下がりますが、アドリアシンがない分体の負担は減ります。
この治療を薦められる先生はかなり濾胞性リンパ腫を熟知された先生と私は思います。

ヨーロッパでは最近 初期治療として Rリツキサン+B一般名ベンダムスチン(トレアキシン) の治療法が R+CHOPに変わってきていると言われます。
日本でも数年後にはRリツキサン+Bベンダムスチンが初期治療となる可能性が高いと思います。
ベンダムスチンも抗がん剤ですがCHOPよりは副作用が少ないと言われています。

日本ではベンダムスチンは2010年に承認され再発時の治療に適応となっています。
初回治療が2016年12月に承認されました。

R+BはR+CHOPと比較して奏功率はほぼ同じくらいで、副作用が少ない分有効とされていますが、

R+COP(CVP)と副作用を比較するとR+COP(CVP)の方が副作用は少ないと思われますので、R+COP(CVP)で治療できるV期以下の場合は
主治医と治療方針を御検討ください。

もう一つ、新しい情報をお伝えします。

リツキサンに変わって開発されたオビヌツヌマブ(obinutuzumabu)(GA101)がもう少し先に使われる可能性があります

再発以降

濾胞性リンパ腫の治療薬は、ここ最近日進月歩に変化していmouhitotuatarasiiます。

この変化に付いて行っていない先生は以前の療法を選択します。

それは @初発 R+CHOP → 再発 救援療法(ESHAP療法、CHASER療法など) → 自家細胞移植 → 再発同種移植

治療間の経過観察期間を2年とすると余命7年から10年位となります。

私が最初の病院で再発時に薦められた方法でこの治療方針を選択される先生は50%位は見えると思います。

濾胞性の患者のブログから察すると東北、北関東、中国、四国の患者さんはかなり高い確率でこの療法を選択されています。

2010年12月に承認されたベンダムスチン(トレアキシン)が出てから最初の再発時はベンダムスチンを入れる事が多くなってきています

また2020年2月にレナリドミド+リツキサン(R2)が再発時の治療として承認されました。

A初発 R+CHOP → 再発 ベンダムスチンまたはレナリドミド(R2) →再発救援療法(ESHAP療法、CHASER療法など) 

→ 自家細胞移植 → 再発 同種移植 となります。

この他に承認されている濾胞性に効果のある薬は、


フルダラビン 抗がん剤

ゼヴァリン(一般名イブリツモマブチウキセタン) 分子標的剤

があります、この二つの薬とベンダムスチンで濾胞性の治療は大きく変化したと思います。

初発 R+CHOP → 再発の後にフルダラビン、ゼヴァリン、ベンダムスチンが入る事によって余命は7年ほど伸びる事になります。

しかし血液系の先生の多くは造血幹移植を得意とされる先生が多く(濾胞性以外の血液がんでは大変重要な分野です)

Aのルートを選択される先生が多いと思われます。

私はゼヴァリンの選択が大変重要と考えています。

それは最近の報告を見ますとゼヴァリンをある条件で選択し、完全寛解(CR)に達すると長期の寛解期間が期待できるという報告があるからです。

その条件はCD20に対応し、腫瘍の大きさが4cm以下で、個数が少ない、骨髄浸潤していない、再発または再再発 の条件の患者と聞いています。

リツキサンが有効な患者はCD20有効ですから、再発または再再発の治療で初期に発見できればこの条件をクリアーできます。

問題なのはゼヴァリンの治療を受けれる医療機関が少ない事です。


次回再発の時にゼヴァリンを考えてみえる患者はゼヴァリンの治療を受けれる医療機関で経過観察を受けていた方が対応が早くなります。

この他にも私の受けた治験CMC-544 分子標的薬 も良い結果が出ていますので数年先には承認の期待があります。

この他にも開発されている新薬の情報もあります。

またこの他にもペプシド、ラステッド(一般名エトポシド)や、ロイスタチン(一般名クラドリビン)で治療されて5年以上寛解を維持されている方もみえます。

濾胞性の治療の基本として 「体に負担が少なく、効果のある薬から選択して治療する事」と私は聞いています。

救援療法、自家移植はとても体に負担がある薬を使うことになるので出来るだけ最後に取っておいた方が良いと私は思っています。


最近 ゼヴァリンを検討していた患者が主治医から、ゼヴァリンは高価で負担が大きいとか、一年以内に再発するケースが多いとか、エビデンスが無い

などの見解でゼヴァリンを敬遠するケースを聞きます。多くはゼヴァリンの治療を受けれる医療機関以外の病院の医師が多いのですが

情報は正確でなくてはいけないと思います。

下記の参考資料を見て頂くと分かるのですが、入院以前に保険限度額認定証をもらっていればゼヴァリンが実質負担は一番少なくて済みます。

また下記の薬の使用成績調査のゼヴァリンの中間報告を見て頂くと、完全寛解率CR+CRU 43.7%で、最後の無増悪生存期間のグラフを

見てもらえればCR+CRUの患者の一年後の生存率は100%を維持して、1年間で一人も再発していない報告があります。

奏功率も71.3%ありエビデンスが無いとは言えないのではないでしょうか、医師は場合によって正確でない情報を話す事もあります。

ゼヴァリン(RI標識抗体療法)の解説(悪性リンパ腫一般についての解説もあります)

治験について

私は治験を受けてがんの薬はとても沢山の命の礎の上に出来上がっていくものだと知りました、

またその礎の一つに成れた事に良かったと思っています。

治験はリスクもありますが、これから使われる有効な薬?を5年以上前に無料で使用できるというメリットもあります。

治療費、検査代は全て製薬メーカー持ちで専属のコーディネーターも付きます。

治験の中止の判断は患者側に主体が置かれますのでこちらの意思で中止も可能です。

興味をもたれる方はこちらから現在行われている治験を知る事が出来ます

国立がん研究センター中央病棟からの治験紹介ページ

ネクサス・ジャパンの臨床試験等の情報のページ

次回の治療について

私は次回の治療はゼヴァリンでCRになりやすい条件の時期に治療したいと思っています。

ですから、経過観察をゼヴァリン治療可能な病院で3ヶ月に一回のペースでしています。

経過観察で私が気を付けている事は、可溶性インターロイキン2レセプターの結果が出るのに数日かかるので診察日の一週間前に採血のみで病院に

行きます(夕方の空いている時間帯に)、そうすると診察日に待ち時間なく、可溶性インターロイキン2レセプターの結果も聞く事が出来ます。

でないと、可溶性インターロイキン2レセプターの大事な結果を3か月後に聞く事になりますので、早期のCRになりやすい条件を逃す可能性が出てきます。

また半年に一回PET検査とCT検査を交互に受ける事にしています。


形質転換について

再発した時最初の病院は「形質転換すると何もできなくなるので救援療法の後自家細胞移植を薦められました。

しかし治験を終了して寛解経過観察時に主治医に「形質転換」について聞きましたら、私の場合生検の病理検査でグレード1だから確率が低い事を知りました。

濾胞性の患者はこのグレードを知っておいた方が良いと思います。(生検を皆さんしていますからデーターは残っているはずです)

濾胞性と全部同じように言いますが、濾胞性の高い濾胞性と、濾胞性とびまん性が混じっている濾胞性、びまん性に近い濾胞性などあります、濾胞性の高い濾胞性はグレード1、次にグレード2、びまん性の高い濾胞性はグレード3,3A、3Bとなります。

濾胞性の形質転換はびまん性への転化ですからグレード3Bのほうがよりびまん性になりやすいと解釈できます。

グレード(grade)に関しての記載は安藤潔先生の「濾胞性リンパ腫」の病理 の項目に詳しく記載されています。

現在の病院では「形質転換」になった時点で対応を考えれるので心配しないほうが良いと言われています。


セカンドオピニオンについて

主治医の選択はできそうで難しい事です、診療方針に迷いが出た時はセカンドオピニオンを取ってみるのも一つの方法です。

その時、セカンドオピニオンをどこに聴きに行くか迷います、

血液内科のDrでも濾胞性に詳しい先生もいれば、造血幹細胞移植を専門とされる先生では意見が異なります。

ゼヴァリンでの治療の可能性も検討されている場合は、ゼヴァリンの治療を受けれる医療機関でのセカンドオピニオンをお勧めします。

私は以下のホームページのDrの記載を参考に、どのDrに聴きに行くかを決めました。

クリニシアン 悪性リンパ腫特集
がんサポート 悪性リンパ腫

私の場合は質問事項を箇条書きにしたものを一つ一つ答えてもらいました。40分くらいの時間を取ってお話が聞けて1万2千円位でした。
(名古屋単価で東京はもっと高いと聞いた事があります)

私はセカンドオピニオンがきっかけで、治療方針が変わり、転院して治験を受け、現在CR経過観察中となって良かったと思っています。



濾胞性に関する疑問などは下記の二つの掲示板を見ますと同病の方から意見が聞けます。

悪性リンパ腫と戦う会掲示板

グループ・ネクサス 掲示板

私もこの掲示板をよく見て書き込みしています。何でも思われた事を書き込まれますと、同病の皆さんが答えてくれます。

素人の聞きかじり情報ですが私も書き込みさせてもらってます。


寛解維持期間中で注意していること。

白血球は平常値に戻っていますが、免疫力は一般の健常者と比較すれば低くなっていると思いますので感染症に注意しています。

病院でよく言われる「手洗い、うがい」は一生懸命しています。うがいはイソジンで3回/日「ドレミファうがい法」でしています。

ドレミファうがい法は上を向いてうがいする時ドレミファ・・・ドと1オクターブ、ドシラソ・・・ドと下がって終わります、そうするとかなりのどのいろんな部分が

うがいできると実感します。(途中で息継ぎしても構いませんが飲まないように注意して下さい)

マスクはインフルエンザの時期や、人ごみに行く時は着ける様にしています。

また、十分な睡眠を取って、疲れがたまらないように気を付けています。

抗がん剤はかなり毒性が強く、それを分解する肝臓も負担がかかりますので、肝臓に負担を掛けるアルコールも極力減らし、適度以上は飲まないことにしています。

適度な運動はもっぱらラジオ体操だけで、これは努力不足だと思います。

私は民間療法や、健康食品は初回入院中に多くの友人からいっぱい頂きました、すべて試しましたが、効き目は感じませんでした。

また厚労省から発表がありました、「健康食品の4割は薬の効果を低下させる」結果から判断しますと、初回の治療が部分寛解に留まったのも、

民間療法と健康食品の可能性もあったかもしれないと反省しています。

再発時の治験の時は民間療法も健康食品も全て辞めました。(その結果、完全寛解になりました)

また、治験をしてからこの様な民間療法へなびく弱い心は私から無くなったと思います。
(自分だけ助かりたいのではなく、死ぬんだったら同病の後の方のために死にたい)

食事はバランスよく出来るだけ自宅で取る様にしています。

私の知っているリンパ腫の患者で一人はホジキンで完治後7年位でゴルフの後風呂に入って帰宅後急変して亡くなった方と、

びまん性で寛解後5年位でスーパー銭湯に行って体調を崩し2日後に亡くなった方を知っています。

両方ともレジオネラ菌の可能性が高いと思われます。

リンパ腫患者は感染に細心の注意が必要です、私は温泉はかけ流しの温泉以外は行かない事にしています。

また公衆浴場へは行かない様にしています。


あまり参考にならないかもしれませんが以上の様な事に注意して生活しています。


リツキサンの維持療法について

治療終了後の維持期間にリツキサンを定期的に使用すると寛解維持期間の増長につながる治験がされてきました

再発リスクが半減したと言う報告もあります。

またその結果、ヨーロッパでは維持療法も認定されて、日本でも早期の使用認定を期待されてきましたが、

2015年5月26日付けて使用できるようになりました。(ネクサス・ジャパンからの要望書が聞き取られたようです)

1回量375mg/uを点滴静注し投与期間は8週間を目安に最大12回とされています。

2か月に一度で2年間となります。


参考資料
治療薬
奏功率
CR率
一般

入院期間
一般治療

サイクル
薬価
自費3割負担分
保険限度額認定後

の金額(一般)
CR患者の

無増悪中央値
  備考 
R+CVP
80〜90%
25%
28日
6〜8
(30+1)x6=

186万円
55万8千円
48万円(6か月)
28か月

R+CHOP
85〜95%
30%
28日
6〜8
(30+3)x6=

198万円
59万4千円
48万5千円(6か月)
34.8か月

ゼヴァリン
80%
64%
10日
1
432万円
129万円
12万円
80か月
仕事継続可
R+B

(ベンダムスチン)
80%
60%
30日
6
(30+37)x6=

402万円
120万円
50万円(6か月)
54.9か月

R+F

(経口フルダラビン)
76%
68%
28日
6
(30+10)x6=

240万円
72万円
48万8千円(6か月)

仕事継続可











奏功率、CR率、無増悪中央値はいろんなデーターからのつまみ食い情報ですので目安値としてみてください(情報によってかなり違いがある)。
入院期間も病院によって変わりますからあくまで目安です。
薬価等は概略値で入院費は入れていません。

*ゼヴァリンは自費負担分は129万円で一番高いように感じますが、入院以前に保険限度額認定証を申請してもらっていれば
 実質12万円の支払いで全ての治療の中で一番少ない治療費で済むことが分かります。

薬の使用成績調査

ゼヴァリン    ベンダムスチン(トレアキシン)    フルダラ錠


がんに関する新薬や、学会の情報は日経メディカルオンラインから最新情報を得る事が出来ます。

CMC-544について
私が再発時の2010年7月〜12月に受けました治験の薬CMC-544について書きます。
CMC-544は正式名イノツズマブオゾガミシン(inotuzumab ozogamicin)といいリツキサンはCD20抗体に対応しますが
CMC-544はCD22抗体に対応しますのでリツキサンの効きが悪い方もこの薬が効く可能性があります。
R+CMC-544はそう考えるとCD20抗体+CD22抗体に適応しますのでより守備範囲が広いように思われます。

CMC-544はヒト化IgG4 抗CD22 モノクローナル抗体(G544)に殺傷力の強いカリケアマイシンを抱合しがん細胞内に取り込まれた後乖離して
核内DNAと結合しがん細胞を死滅する薬ですので、ミサイルの様な分子標的薬の種類になります。

私の受けた治験の前にR+CMC-544単体の治験がされており寛解率80%の良い結果が出ていました。
私の受けた治験はCMC-544+CVP+Rでしたが、同時にCMC-544+GDP+Rの治験もされていました。
まず全体的な感想は初発のR−CHOPの治療より負担がありませんでした。脇の腫瘍の減少速度は初発のR−CHOPでの治療の3倍ほどの速さで減少した感想があります。(3サイクル目中間のCT検査にてがん組織の87%減少を確認)副作用は私の場合は便秘(酸化マグネシュームにより調整できました)初発のR−CHOP同様脱毛(初発のR―CHOPより遥かに影響はなく初発は坊主になりましたが今回は坊主にすることなく終わりました)手のしびれ(オンコビンによる)初発R−CHOP同様CMC−544の副作用は血小板が減少する事だそうですが私の場合はR−CHOPの時とほぼ同じでした。白血球の減少はR−CHOPより少なかったので感染に関しては安心感がありました。

血液検査比較表 (治療時最低値)
            初発R−CHOP     再発 CMC−544+CVP+R  
白血球           800              2000
ヘモグロビン        6.6               11.3
血小板          8                   7.2
好中球          0.12                 0.65

治験スケジュール
事前検査 CD22陽性、マルク、血液検査、尿検査、CT検査、PET検査、心電図

CMC−544+CVP+R 治療 1サイクル 3週間で 6サイクル
最初の1サイクルと2サイクル目点滴の24日入院
2〜6サイクル CMC−544+CVP+R点滴 入院2泊3日
(初日午後入院何もなし、2日R−CVP点滴 6時間 、3日 CMC−544点滴 1時間 昼退院)
(私は入院以外の日は仕事が出来ました、治験でしたので入院しましたが私の感想では入院なしですべて外来でも治療可能だと思いました)
(私の場合最終の6サイクル目に好中球の立ち上がりが悪く(1以下で)点滴が1週間伸びた事以外は順調にスケジュールをこなせました。)

3サイクルまでサイクル中間に2回 血液検査 診療、
3サイクル目以降サイクル中間に1回 血液検査 診療 

治療後検査 CT検査、血液検査、尿検査、PET検査、心電図

主な副作用は骨髄抑制で特に血小板の減少があるようです。
また私の場合肝機能の回復に1年ほどかかりました。(少量とはいえカリケアマイシンの解毒をするのは肝臓にとって大変だったかもしれない)

私の受けた CMC−544+CVP+R の治験は 第1相試験で世界中で2010年5月時点で250人以上が治験参加しているそうです。
名古屋第二日赤では私の前に2人治験を受けられて2人とも完全寛解されているそうです。
私と同時期に数名治験に参加されているようでした。

治療後のPET検査では少し不明の陰のある完全寛解にほぼ近いCRuでしたが、半年後のPET検査で完全なCRとなりました。 

私は2014年1月にPET検査をして寛解状態を維持していることを確認し4年目に入りました。
私の前にCRになった2名も寛解状態を維持しているそうです。
私も含めたこの治験の発表を2011年11月米国血液学会でされています。

再発時のびまん性に対するベンダムスチンとの比較治験は中止されましたが、濾胞性に関する治験はU、V相試験に入っています。
また急性リンパ白血病にも効果があってこの治験もU、V相試験に入っています。

残念ながらファイザーの治験のページからCMC−544のリンパ腫に関する治験部分が無くなりました。

どんな理由かはファイザーに聞いても答えてもらえませんでした。残念です。

最新の新薬開発に関する情報等
第75回日本血液学会にて講演されました、小椋先生の「悪性リンパ腫に対する新薬の開発動向と展望」

がん研有明病院 畠清彦先生の 「悪性リンパ腫の予後を左右する遺伝子タイプとは」 (治療薬の進歩により造血幹細胞移植をする患者は減少)
                                           「今後がん治療はどの様に進歩していくのか- 血液がんの慢性化とは」
                    「オプシーボ、アドセトリス- 悪性リンパ腫の新しい治療薬の開発状況」
                                          「悪性リンパ腫に関する新薬の開発が活発に」2017/7/11
レナリドミドに関する情報      「レナリドミドとリツキシマブの併用が低悪性度非ホジキンリンパ腫で高い完全寛解率を示す

キンシャチ

*  このページは、私の勤めている会社のホームページの隠しページとして、会社の好意で公開しています。
    会社のホームページの内容は公開していますので見て頂くのは歓迎ですが
   キンシャチは所員で、所長ではありませんので勘違いされませんようにお願いします。